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1:◆uFYnhQ7aPs投稿日:2020/01/05 03:15:51 ID:idididid
俺「いや、買ってない」
後輩「あれー? 嘘はいけないですね? せんぱいが先週の金曜日学校を休んだことは知ってるんですよ?」
俺「……熱が出て」
後輩「ダウト、せんぱいは風邪を引きません」
俺「どういうことだコラ」
後輩「あれー? 嘘はいけないですね? せんぱいが先週の金曜日学校を休んだことは知ってるんですよ?」
俺「……熱が出て」
後輩「ダウト、せんぱいは風邪を引きません」
俺「どういうことだコラ」
2:◆uFYnhQ7aPs投稿日:2020/01/05 03:16:39 ID:idididid
後輩「わたしもバイト代叩いて買っちゃったんですよねー。先輩のせいですよ?」
俺「なんで俺のせいなんだよ……。つーか買ってないって」
後輩「毎日毎日友達のいない先輩のポケモン話に付き合ってあげてた、それはそれは健気で可愛らしい大和撫子的美少女はどこの誰でしたっけ?」
俺「……すまん」
後輩「まーそんなわけで、私も最新作買っちゃいました。責任とってくださいね?」
俺「なんのだよ」
俺「なんで俺のせいなんだよ……。つーか買ってないって」
後輩「毎日毎日友達のいない先輩のポケモン話に付き合ってあげてた、それはそれは健気で可愛らしい大和撫子的美少女はどこの誰でしたっけ?」
俺「……すまん」
後輩「まーそんなわけで、私も最新作買っちゃいました。責任とってくださいね?」
俺「なんのだよ」
3:◆uFYnhQ7aPs投稿日:2020/01/05 03:17:16 ID:idididid
後輩「わたしは最初サルノリにしました! なんかちょっとバカそうな感じが先輩そっくりで!」
俺「一々俺を貶さないと喋れないのかお前は」
後輩「つい先輩の名前をつけちゃいました!てへ!」
俺「複雑な心境だよ」
後輩「進化したらどんな風になるんですかねー!楽しみです!」ウキウキ
俺「ん?」

俺「一々俺を貶さないと喋れないのかお前は」
後輩「つい先輩の名前をつけちゃいました!てへ!」
俺「複雑な心境だよ」
後輩「進化したらどんな風になるんですかねー!楽しみです!」ウキウキ
俺「ん?」
4:◆uFYnhQ7aPs投稿日:2020/01/05 03:18:58 ID:idididid
俺「お前、サルノリを最終進化させてないのか?」
後輩「はい? だってまだ昨日買ったばかりだもん。まだせんぱいは進化してないです」
俺「その言い方だと俺が何の進歩しない無能みたいに聞こえるが……まあ、いいや」
後輩「え? なんですかその歯切れの悪い感じ……」
俺「いや、知らなくていい。だが、これだけは覚えておいてくれ」
後輩「な、なんですか?」
俺「お前はこれから『俺と同じ名前のゴリラ』を育てることになる。 お前は俺をゴリラにするんだ」
後輩「!? うそ……ですよね……?」
俺「……残念だが」
後輩「い、いやあああああああああああああああああああ!!!!!!!!!」
後輩「はい? だってまだ昨日買ったばかりだもん。まだせんぱいは進化してないです」
俺「その言い方だと俺が何の進歩しない無能みたいに聞こえるが……まあ、いいや」
後輩「え? なんですかその歯切れの悪い感じ……」
俺「いや、知らなくていい。だが、これだけは覚えておいてくれ」
後輩「な、なんですか?」
俺「お前はこれから『俺と同じ名前のゴリラ』を育てることになる。 お前は俺をゴリラにするんだ」
後輩「!? うそ……ですよね……?」
俺「……残念だが」
後輩「い、いやあああああああああああああああああああ!!!!!!!!!」
5:◆uFYnhQ7aPs投稿日:2020/01/05 03:20:11 ID:idididid
俺「落ち着け後輩!」
後輩「そんな……わたしのかわいい先輩がゴリラに……?そんなのって……」うるうる
俺「やめろ、俺がゴリラになるみたいに言うな」
後輩「どうして……どうしてもっと早く教えてくれなかったんですか!?」
俺「無茶苦茶言うな。選んだのはお前だ。全てはお前の責任だ」
後輩「そんな……わたしのせいで先輩がゴリラに……?」
俺「いい加減俺の名前を出すのをやめろ」
後輩「そんな……わたしのかわいい先輩がゴリラに……?そんなのって……」うるうる
俺「やめろ、俺がゴリラになるみたいに言うな」
後輩「どうして……どうしてもっと早く教えてくれなかったんですか!?」
俺「無茶苦茶言うな。選んだのはお前だ。全てはお前の責任だ」
後輩「そんな……わたしのせいで先輩がゴリラに……?」
俺「いい加減俺の名前を出すのをやめろ」
6:◆uFYnhQ7aPs投稿日:2020/01/05 03:20:59 ID:idididid
俺「そんなに嫌なら進化させなければいいだろ?」
後輩「確かに元ネタ再現でしたらお猿のまま進化させない方が忠実ですが……」
俺「だからどういう意味だコラ」
後輩「わたしのエゴで進化させないなんて、可哀想ですよね……」
俺「……そうだな」
後輩「確かに元ネタ再現でしたらお猿のまま進化させない方が忠実ですが……」
俺「だからどういう意味だコラ」
後輩「わたしのエゴで進化させないなんて、可哀想ですよね……」
俺「……そうだな」
7:◆uFYnhQ7aPs投稿日:2020/01/05 03:21:35 ID:idididid
後輩「わたし、決めました! 先輩がどんな姿になっても、最後まで先輩と一緒にいます!!」
俺「や、やめろバカ! 声がデカい!」
後輩「たとえ先輩がゴリラになったとしても!!!!」
俺「頼むからやめてくれ!!」
「なに? 痴話喧嘩?」
「美女と野獣?」
「チッ、失せろ。リア充どもが」
俺「……帰るぞ」
後輩「……はい」
俺「や、やめろバカ! 声がデカい!」
後輩「たとえ先輩がゴリラになったとしても!!!!」
俺「頼むからやめてくれ!!」
「なに? 痴話喧嘩?」
「美女と野獣?」
「チッ、失せろ。リア充どもが」
俺「……帰るぞ」
後輩「……はい」
8:◆uFYnhQ7aPs投稿日:2020/01/05 03:22:20 ID:idididid
電車の中。
後輩「てか、せんぱい。やっぱり新作買ってたんじゃないですか」
俺「……ああ。そうだよ」
後輩「なんで変な意地張るんですか、まったく」
俺「だって、どうせ大して興味ないだろ?すぐ飽きてやめるのに、無理して俺の趣味に合わせなくていい」
後輩「……せんぱいと一緒に遊びたくて買ったのに」
俺「うぐっ」
後輩「だからひとりも友達いないんですよバカ」
俺「うぐぐっ」
後輩「てか、せんぱい。やっぱり新作買ってたんじゃないですか」
俺「……ああ。そうだよ」
後輩「なんで変な意地張るんですか、まったく」
俺「だって、どうせ大して興味ないだろ?すぐ飽きてやめるのに、無理して俺の趣味に合わせなくていい」
後輩「……せんぱいと一緒に遊びたくて買ったのに」
俺「うぐっ」
後輩「だからひとりも友達いないんですよバカ」
俺「うぐぐっ」
9:◆uFYnhQ7aPs投稿日:2020/01/05 03:22:41 ID:idididid
俺「……俺が悪かった。許してくれ」
後輩「嫌です。先輩とはもう口を聞きません」ぷいっ
俺「後輩が満足するまで、付き合うからさ」
後輩「嫌々なら結構です」
俺「うぐっ!」
後輩「嫌です。先輩とはもう口を聞きません」ぷいっ
俺「後輩が満足するまで、付き合うからさ」
後輩「嫌々なら結構です」
俺「うぐっ!」
10:◆uFYnhQ7aPs投稿日:2020/01/05 03:23:29 ID:idididid
後輩「……ふふっ♪ 仕方ないなぁ、この人は」
後輩「いいですよ、許します。その代わり、わたしが飽きるまでゲームに付き合ってくださいね?」
俺「! ああ。任せろ」
後輩「じゃあせんぱい。 まずはふたりでゲームをクリアしましょう!」
俺「あ、すまん。実は発売日初日にクリアしたんだ」
後輩「は?」
俺「ついでに言うと、土日で図鑑も埋めた」
後輩「 は ぁ ? 」
後輩「いいですよ、許します。その代わり、わたしが飽きるまでゲームに付き合ってくださいね?」
俺「! ああ。任せろ」
後輩「じゃあせんぱい。 まずはふたりでゲームをクリアしましょう!」
俺「あ、すまん。実は発売日初日にクリアしたんだ」
後輩「は?」
俺「ついでに言うと、土日で図鑑も埋めた」
後輩「 は ぁ ? 」
11:◆uFYnhQ7aPs投稿日:2020/01/05 03:24:21 ID:idididid
数日後。
後輩「先輩!レイドバトル手伝ってください!」
俺「なんだよ唐突だな」
後輩「だって!ひとりじゃ全然勝てないんですよ!」
俺「なに使ってる?」
後輩「せんぱいです」
俺「……あー、ゴリランダーね」
後輩「先輩!レイドバトル手伝ってください!」
俺「なんだよ唐突だな」
後輩「だって!ひとりじゃ全然勝てないんですよ!」
俺「なに使ってる?」
後輩「せんぱいです」
俺「……あー、ゴリランダーね」

12:◆uFYnhQ7aPs投稿日:2020/01/05 03:24:55 ID:idididid
俺「殿堂入りは……なんとかできたのか。 じゃあムゲンダイナ持ってるだろ?」
後輩「えー、かわいくないじゃないですか」
俺「ゴリランダーもかわいくはないだろ」
後輩「せんぱいは愛着があるので」
俺「……そろそろニックネーム変えてくれん?」
後輩「嫌です」

後輩「えー、かわいくないじゃないですか」
俺「ゴリランダーもかわいくはないだろ」
後輩「せんぱいは愛着があるので」
俺「……そろそろニックネーム変えてくれん?」
後輩「嫌です」
13:◆uFYnhQ7aPs投稿日:2020/01/05 03:26:07 ID:idididid
俺「ムゲンダイナはな、ダイマックスしている相手に対して威力300のダメージを出せる技を使えるんだ。ストーリーを進めれば勝手に手持ちに入るので入手難易度も低い。だから、レイド初心者はまずムゲンダイナを育てろ」
後輩「いやです、せんぱいがいいです」
俺「……他にも、ウオノラゴンは特性がんじょうあごと水技エラがみを組み合わせることで威力382といった高火力を出すことができる。水半減の相手以外ならかなり有用で」
後輩「いやです、せんぱいがいい」
俺「……またニャイキングの夢特性は味方の鋼技を1.5倍する効果を持つので、夢ニャイキング4体で攻め込むことで相乗効果で高い火力が」
後輩「いやです」
俺「……ザシアン」
後輩「いやです」
後輩「いやです、せんぱいがいいです」
俺「……他にも、ウオノラゴンは特性がんじょうあごと水技エラがみを組み合わせることで威力382といった高火力を出すことができる。水半減の相手以外ならかなり有用で」

後輩「いやです、せんぱいがいい」
俺「……またニャイキングの夢特性は味方の鋼技を1.5倍する効果を持つので、夢ニャイキング4体で攻め込むことで相乗効果で高い火力が」

後輩「いやです」
俺「……ザシアン」

後輩「いやです」
14:◆uFYnhQ7aPs投稿日:2020/01/05 03:26:35 ID:idididid
俺「……わかった、手伝うよ。何と戦うんだ?」
後輩「このヘビみたいな奴です」
俺「これは、キョダイサダイジャか。確かに初心者がソロで狩るのは厳しいな。ウオノラゴンが最適だな」ピッ
後輩「え、なんですかこのポケモン。キモいです」
俺「やめろ。初見でそう思うのは仕方ないが、口に出すな。こいつはこれでも一生懸命生きてんだよ。何も知らない奴が『キモい』の一言で片付けるな」
後輩「え、ええ……? ごめんなさい……」
俺「わかればいいんだ」
後輩(このポケモンに先輩のどんな想いが込められているの……?)
後輩「このヘビみたいな奴です」
俺「これは、キョダイサダイジャか。確かに初心者がソロで狩るのは厳しいな。ウオノラゴンが最適だな」ピッ

後輩「え、なんですかこのポケモン。キモいです」
俺「やめろ。初見でそう思うのは仕方ないが、口に出すな。こいつはこれでも一生懸命生きてんだよ。何も知らない奴が『キモい』の一言で片付けるな」
後輩「え、ええ……? ごめんなさい……」
俺「わかればいいんだ」
後輩(このポケモンに先輩のどんな想いが込められているの……?)
15:◆uFYnhQ7aPs投稿日:2020/01/05 03:27:39 ID:idididid
俺「ところで、レイドで使うポケモンはなるべくレベル100で使った方がいいぞ。NPCが使うポケモンは自分が出したポケモンのレベル×0.7倍になるからな。つまり最大でレベル70までだ」
後輩「そうだったんですね。でもそんな簡単にLv100になんてできないですよ」
俺「レイドを倒せば『経験値アメ』がもらえる。それを集めれば、簡単にレベル100にできるぞ」
後輩「へー。 じゃあそれが集まるまで手伝ってくださいね? せんぱい♪」
俺「……へいへい」
後輩「そうだったんですね。でもそんな簡単にLv100になんてできないですよ」
俺「レイドを倒せば『経験値アメ』がもらえる。それを集めれば、簡単にレベル100にできるぞ」
後輩「へー。 じゃあそれが集まるまで手伝ってくださいね? せんぱい♪」
俺「……へいへい」
16:◆uFYnhQ7aPs投稿日:2020/01/05 03:29:10 ID:idididid
俺「そうこう言ってるうちに倒せたな」
後輩「よくやりました。褒めて遣わします」
俺「上から目線を無理に敬語に変換しようとしてるせいで、水戸黄門みたいな口調になってるぞ」
後輩「あ!でも逃げられちゃいました……」
俺「期間限定ピックアップのキョダマは捕獲率低いからな。ゲスト側はもっと低い。ソロでなら、期間限定以外のキョダマは確定でゲットできるぞ」
後輩「え、他のキョダイマックスもレイドで手に入るんですか?」
俺「確率は相当低いが出るらしいぞ。攻略サイトに載ってた」
後輩「先輩!わたしマホイップのキョダイマックスが欲しいです!!」
俺「現状、色違いを出すのと同じ、またはそれ以上に時間がかかる。ピックアップされるまで大人しく待て」
後輩「えー……」
後輩「よくやりました。褒めて遣わします」
俺「上から目線を無理に敬語に変換しようとしてるせいで、水戸黄門みたいな口調になってるぞ」
後輩「あ!でも逃げられちゃいました……」
俺「期間限定ピックアップのキョダマは捕獲率低いからな。ゲスト側はもっと低い。ソロでなら、期間限定以外のキョダマは確定でゲットできるぞ」
後輩「え、他のキョダイマックスもレイドで手に入るんですか?」
俺「確率は相当低いが出るらしいぞ。攻略サイトに載ってた」
後輩「先輩!わたしマホイップのキョダイマックスが欲しいです!!」

俺「現状、色違いを出すのと同じ、またはそれ以上に時間がかかる。ピックアップされるまで大人しく待て」
後輩「えー……」
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17:◆uFYnhQ7aPs投稿日:2020/01/05 03:29:52 ID:idididid
一週間後。
俺「お、後輩。ちょっと来てくれ」
後輩「あ、ゴリランダー。お疲れ様です」
俺「ついに現実の俺とゴリランダーが入れ替わってるじゃねえか」
後輩「学校で話しかけないでくださいって言いましたよね?」
俺「初耳なんだが……」
俺「それより、ほら。マホイップのキョダイマックス見つけたぞ」
後輩「……はい!? 本当ですか!!?」
俺「ああ」
俺「お、後輩。ちょっと来てくれ」
後輩「あ、ゴリランダー。お疲れ様です」
俺「ついに現実の俺とゴリランダーが入れ替わってるじゃねえか」
後輩「学校で話しかけないでくださいって言いましたよね?」
俺「初耳なんだが……」
俺「それより、ほら。マホイップのキョダイマックス見つけたぞ」
後輩「……はい!? 本当ですか!!?」
俺「ああ」
19:◆uFYnhQ7aPs投稿日:2020/01/05 03:31:34 ID:idididid
後輩「でも、現状マホイップのキョダイマックスを見つけるのは難しいってこないだ……」
俺「ああ、その時はな。最近、レイド厳選を効率化する裏技が見つかって、試しにキョダイマホイップを出してみたんだ。それでも数時間はかかったけど」
後輩「わーい!せんぱいありがとう!!だいすき!!!!」
俺「お、おう」
後輩「ちなみにどういう裏技なんですか?」
俺「説明が長くなるから『剣盾 アンコールワット』で検索してくれ。もちろん本体やソフトの改造は必要ない」
後輩「はーい」
俺「ああ、その時はな。最近、レイド厳選を効率化する裏技が見つかって、試しにキョダイマホイップを出してみたんだ。それでも数時間はかかったけど」
後輩「わーい!せんぱいありがとう!!だいすき!!!!」
俺「お、おう」
後輩「ちなみにどういう裏技なんですか?」
俺「説明が長くなるから『剣盾 アンコールワット』で検索してくれ。もちろん本体やソフトの改造は必要ない」
後輩「はーい」
20:◆uFYnhQ7aPs投稿日:2020/01/05 03:32:35 ID:idididid
俺「あ、そうだ。念の為に『おまかせレポート』は切っておけ。捕まえられなくてもリセットすれば再挑戦できるから」
後輩「はい!わかりました!」
俺(……やけに素直だな。いつもこんなんなら可愛げがあるのに)
後輩「……なにか失礼なこと考えてません?ゴリラ?」
俺「いや、なんでもないです。ゴリラじゃないです」
後輩「はい!わかりました!」
俺(……やけに素直だな。いつもこんなんなら可愛げがあるのに)
後輩「……なにか失礼なこと考えてません?ゴリラ?」
俺「いや、なんでもないです。ゴリラじゃないです」
22:◆uFYnhQ7aPs投稿日:2020/01/05 03:33:54 ID:idididid
後輩「やったー!一回で捕獲できました!」
俺「よかったな。しかもラブボ使ってたのか」
後輩「はい!このボールかわいいですよね!」
俺「ほう、オシャボの魅力に既に気がついているとは。お主には光るものがある」
後輩「しゃべり方キモいですね」
俺「急に辛辣に戻るな」
俺「よかったな。しかもラブボ使ってたのか」
後輩「はい!このボールかわいいですよね!」
俺「ほう、オシャボの魅力に既に気がついているとは。お主には光るものがある」
後輩「しゃべり方キモいですね」
俺「急に辛辣に戻るな」
23:◆uFYnhQ7aPs投稿日:2020/01/05 03:35:52 ID:idididid
後輩「でもこれ一個しか手に入らないんですよね。せんぱい、欲しいです……!」
俺「あざとい上目遣いやめろ。嫌だよ、俺も交換に使ったりするんだ」
後輩「ぶー」
俺「俺にたからなくても、今なら合言葉でもう一個ずつもらえるぞ?」
後輩「え、そうなんですか!?」
俺「『0KUGAFUKA1B0RU』と『K0UN1NMASC0T』と『1YAHAYA』でレアボ全9種がそれぞれ一個ずつもらえるぞ。期限は1月15日までだな」
後輩「ちょ、なんで今まで黙ってたんですか!!」
俺「別に隠してたわけじゃねえよ……」
俺「あざとい上目遣いやめろ。嫌だよ、俺も交換に使ったりするんだ」
後輩「ぶー」
俺「俺にたからなくても、今なら合言葉でもう一個ずつもらえるぞ?」
後輩「え、そうなんですか!?」
俺「『0KUGAFUKA1B0RU』と『K0UN1NMASC0T』と『1YAHAYA』でレアボ全9種がそれぞれ一個ずつもらえるぞ。期限は1月15日までだな」
後輩「ちょ、なんで今まで黙ってたんですか!!」
俺「別に隠してたわけじゃねえよ……」
24:◆uFYnhQ7aPs投稿日:2020/01/05 03:39:22 ID:idididid
後輩「このマホイップの名前どうしよっかなー♪」
俺「『みとこうもん』でどうだ?」
後輩「は? 殴りますよ?」
俺「やめろ、俺だけじゃなく黄門様にまで失礼だ」
後輩「そうだ!『みつぎもの❤︎』にしましょう!」
俺「……それでいいのか」
後輩「え?なんか文句あります?」
俺「ないけどさ……」
俺「『みとこうもん』でどうだ?」
後輩「は? 殴りますよ?」
俺「やめろ、俺だけじゃなく黄門様にまで失礼だ」
後輩「そうだ!『みつぎもの❤︎』にしましょう!」
俺「……それでいいのか」
後輩「え?なんか文句あります?」
俺「ないけどさ……」
25:◆uFYnhQ7aPs投稿日:2020/01/05 03:39:53 ID:idididid
後輩「ねえ、せんぱい。せんぱいが苦労して見つけて来てくれたこのマホイップ、大事にしますね♪」
俺「……ああ、そうしてくれ」
後輩「今度はわたしが先輩のために頑張りますね!!」
俺「? おう」
俺「……ああ、そうしてくれ」
後輩「今度はわたしが先輩のために頑張りますね!!」
俺「? おう」
27:◆uFYnhQ7aPs投稿日:2020/01/05 05:25:31 ID:idididid
一週間後。
後輩「せんぱいっ、せんぱい!やりました!ついに見つけました!はやく来てください!!」
俺(げっ!あいつ……!教室まで呼びに来やがった……!)
「おい、一年の後輩ちゃんじゃん」
「うわホントだ。やっぱかわいいなぁ」
「誰を呼びに来たんだ?」
俺(まずいぞ……! クラスカースト最底辺の俺と知り合いだとバレたら……)
後輩「あっ、せんぱい!いるじゃないですか!はやく!」
俺「Oh……」
「は?まさかあいつ?」
「あのポケモンオタクと知り合いなのか?」
「後輩ちゃんってそういう趣味なんだ……」
後輩「せんぱいっ、せんぱい!やりました!ついに見つけました!はやく来てください!!」
俺(げっ!あいつ……!教室まで呼びに来やがった……!)
「おい、一年の後輩ちゃんじゃん」
「うわホントだ。やっぱかわいいなぁ」
「誰を呼びに来たんだ?」
俺(まずいぞ……! クラスカースト最底辺の俺と知り合いだとバレたら……)
後輩「あっ、せんぱい!いるじゃないですか!はやく!」
俺「Oh……」
「は?まさかあいつ?」
「あのポケモンオタクと知り合いなのか?」
「後輩ちゃんってそういう趣味なんだ……」
28:◆uFYnhQ7aPs投稿日:2020/01/05 05:26:26 ID:idididid
俺(……こうなったら、仕方ない)
俺「や、やあ、後輩さん。後輩さんの落とし物を拾って届けた件についてはもう大丈夫だよ?」
後輩「は? なにを」
「なんだ、そういうことか」
「だよなー。後輩ちゃんがあんな奴と仲良いわけないもんなー」
「あんなポケモンオタクにもちゃんと接してあげる後輩ちゃんはやっぱ天使w」
俺「さあ、ここで話すとみんなに迷惑だから場所を変えよう」
後輩「……はい」
俺「や、やあ、後輩さん。後輩さんの落とし物を拾って届けた件についてはもう大丈夫だよ?」
後輩「は? なにを」
「なんだ、そういうことか」
「だよなー。後輩ちゃんがあんな奴と仲良いわけないもんなー」
「あんなポケモンオタクにもちゃんと接してあげる後輩ちゃんはやっぱ天使w」
俺「さあ、ここで話すとみんなに迷惑だから場所を変えよう」
後輩「……はい」
29:◆uFYnhQ7aPs投稿日:2020/01/05 05:27:00 ID:idididid
俺「で、どうしたんだ?教室まで来るなんて」
後輩「……せんぱいは、わたしと知り合いだと思われるのは嫌なんですか?」
俺「……ああ、嫌だよ。注目を浴びたくないんだ」
後輩「わたしは別に気にしないのに……」ボソッ
俺「……ゴホンッ」
後輩「……せんぱいは、わたしと知り合いだと思われるのは嫌なんですか?」
俺「……ああ、嫌だよ。注目を浴びたくないんだ」
後輩「わたしは別に気にしないのに……」ボソッ
俺「……ゴホンッ」
30:◆uFYnhQ7aPs投稿日:2020/01/05 05:27:47 ID:idididid
俺「それより、随分と慌てていたけどなんだったんだ?」
後輩「! そうです!せんぱい!今すぐわたしと交換してください!」
俺「は?」
後輩「渡したいものがあるんです!」
俺「渡したいもの?」
後輩「はい!」
俺「まあいいや。ちょうど孵化余りのヘビボダルマッカがあったからそれ送るね」
後輩「! そうです!せんぱい!今すぐわたしと交換してください!」
俺「は?」
後輩「渡したいものがあるんです!」
俺「渡したいもの?」
後輩「はい!」
俺「まあいいや。ちょうど孵化余りのヘビボダルマッカがあったからそれ送るね」
31:◆uFYnhQ7aPs投稿日:2020/01/05 05:28:59 ID:idididid
交換後。
俺「これは、カジッチュ?」
後輩「はい!」
俺(ニックネーム『プレゼント❤︎』か……これは理想でも対戦で使えないな)
俺「え、これ『ぼうだん』? 夢特性じゃん。しかもフレボ入り!? これどうしたんだ?」
後輩「ふふん♪ レイドで戦いまくって見つけて捕まえました♪」
俺「まじか」
後輩「先輩がツイッターで『色タルップルかわいいな。国際孵化するか』と呟いていたのを見つけたので」
俺「おい、ちょっと待て。なぜ俺の個人情報ゼロのポケモン垢を特定できた?」
後輩「内緒です♪」
俺「これは、カジッチュ?」

後輩「はい!」
俺(ニックネーム『プレゼント❤︎』か……これは理想でも対戦で使えないな)
俺「え、これ『ぼうだん』? 夢特性じゃん。しかもフレボ入り!? これどうしたんだ?」
後輩「ふふん♪ レイドで戦いまくって見つけて捕まえました♪」
俺「まじか」
後輩「先輩がツイッターで『色タルップルかわいいな。国際孵化するか』と呟いていたのを見つけたので」
俺「おい、ちょっと待て。なぜ俺の個人情報ゼロのポケモン垢を特定できた?」
後輩「内緒です♪」
32:◆uFYnhQ7aPs投稿日:2020/01/05 05:30:01 ID:idididid
後輩「あと先輩はソードだったので、シールド限定のあまーいりんごも持たせてますよ」
俺「!? お前は神か……!これはまじで助かる!」
俺(ぶっちゃけ、フレボ夢カジッチュとあまーいりんごはここ最近ずっと交換募集していた。それをまさか、後輩が知っていたとは……)
後輩「えーと……、へ?ありがとうございます?」
俺「? なんでお前が礼を言うんだ?」
後輩「だって……」
後輩(こんなに嬉しそうな先輩の顔はじめてみたから……!)
後輩「えへへ♪」
俺「!? お前は神か……!これはまじで助かる!」
俺(ぶっちゃけ、フレボ夢カジッチュとあまーいりんごはここ最近ずっと交換募集していた。それをまさか、後輩が知っていたとは……)
後輩「えーと……、へ?ありがとうございます?」
俺「? なんでお前が礼を言うんだ?」
後輩「だって……」
後輩(こんなに嬉しそうな先輩の顔はじめてみたから……!)
後輩「えへへ♪」
33:◆uFYnhQ7aPs投稿日:2020/01/05 05:31:14 ID:idididid
俺「家に帰ったらさっそく厳選するわ。まじでありがとう、後輩」
後輩「へ!? あ、はい。その感じはずるいです……」
俺「?」
俺「あ、そろそろ昼休み終わるから戻るぞ」
後輩「……はーい」
俺「じゃあ、またな」
後輩「あ!せんぱい!」
俺「ん?」
後輩「へ!? あ、はい。その感じはずるいです……」
俺「?」
俺「あ、そろそろ昼休み終わるから戻るぞ」
後輩「……はーい」
俺「じゃあ、またな」
後輩「あ!せんぱい!」
俺「ん?」
34:◆uFYnhQ7aPs投稿日:2020/01/05 05:32:17 ID:idididid
後輩「ナックルシティの西にいる男性に、カジッチュを見せると発生するイベントのこと、ご存知ですか……?」
俺「? いや、知らないな。そんなものがあるのか」
後輩「い、いえ!ご存知ないなら大丈夫です! じゃあまた!」タタタッ
俺「お、おう」
俺「? いや、知らないな。そんなものがあるのか」
後輩「い、いえ!ご存知ないなら大丈夫です! じゃあまた!」タタタッ
俺「お、おう」
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35:◆uFYnhQ7aPs投稿日:2020/01/05 05:33:21 ID:idididid
自宅。
俺「そういえば、後輩がカジッチュのイベントがどうとか言ってたな」
俺「国際孵化する前に、見てみるか」
ーナックルシティ西ー
男性「ねぇ、きみ…… あのウワサ知ってる?」
俺「あのウワサ?いや、知らないな」
男性「え! 知らないの!?」
俺「そういえば、後輩がカジッチュのイベントがどうとか言ってたな」
俺「国際孵化する前に、見てみるか」
ーナックルシティ西ー
男性「ねぇ、きみ…… あのウワサ知ってる?」
俺「あのウワサ?いや、知らないな」
男性「え! 知らないの!?」
36:◆uFYnhQ7aPs投稿日:2020/01/05 05:38:26 ID:idididid
男性「【好きな子に告白するときカジッチュをプレゼントすると結ばれる】ってウワサだよ!?」
俺「……は?」
俺(具体的な内容は伏せるが、これはカジッチュのウワサに関する恋愛系イベントだった。ソードではこのあと、すっぱいりんごが貰えた)
俺「後輩はどういう意図でこれを……」
俺「いや、俺がフレボ夢カジッチュを欲しがってたのは偶然だしな。勘違いされないように聞いてきたんだろ」
きっと、そうに違いない。
ポケモンにしか興味がない俺のことを受け入れてくれる人なんて、存在するはずがないのだから。
俺「……は?」
俺(具体的な内容は伏せるが、これはカジッチュのウワサに関する恋愛系イベントだった。ソードではこのあと、すっぱいりんごが貰えた)
俺「後輩はどういう意図でこれを……」
俺「いや、俺がフレボ夢カジッチュを欲しがってたのは偶然だしな。勘違いされないように聞いてきたんだろ」
きっと、そうに違いない。
ポケモンにしか興味がない俺のことを受け入れてくれる人なんて、存在するはずがないのだから。
38:◆uFYnhQ7aPs投稿日:2020/01/05 06:54:15 ID:idididid
それは、きっと運命だったのだろう。
すべては、中学の頃からカバンにつけていたゲンガーのぬいぐるみストラップを無くしてしまったのがきっかけだ。
「高校生にもなってぬいぐるみなんかつけてるの恥ずかしくない?」
「もしかしてアレ?不思議ちゃん?」
「いるいる、そういうメンヘラ女。ぬいぐるみ好きなわたしカワイイって感じ?」
高校に入ってからできた友達に、こんなようなことを何回も言われた。 わたしはそうやってイジられるのが嫌になって、登下校中以外はカバンの中に入れておくことにした。
しかし、ある日の下校時間。いつものようにカバンからゲンガーのぬいぐるみを取り出して付けようとした時、それがなくなっていたことに気が付いた。
すべては、中学の頃からカバンにつけていたゲンガーのぬいぐるみストラップを無くしてしまったのがきっかけだ。

「高校生にもなってぬいぐるみなんかつけてるの恥ずかしくない?」
「もしかしてアレ?不思議ちゃん?」
「いるいる、そういうメンヘラ女。ぬいぐるみ好きなわたしカワイイって感じ?」
高校に入ってからできた友達に、こんなようなことを何回も言われた。 わたしはそうやってイジられるのが嫌になって、登下校中以外はカバンの中に入れておくことにした。
しかし、ある日の下校時間。いつものようにカバンからゲンガーのぬいぐるみを取り出して付けようとした時、それがなくなっていたことに気が付いた。
39:◆uFYnhQ7aPs投稿日:2020/01/05 06:55:28 ID:idididid
どうして? 私は校舎中を探し回った。
でも、どこにもゲンガーのぬいぐるみはなかった。
人に尋ねることもできなかった。馬鹿にされるのが怖かったからだ。
あのぬいぐるみは、中学一年生の時、今は亡き父に買ってもらった大切なものなのに。本当は大好きなポケモンのぬいぐるみなのに。
わたしはその場で泣きじゃくるしかなかった。
そして、そんな時だった。
「ふざけんじゃねえぞ!!!!」
突如男の人の怒鳴り声が聞こえ、ビクッ!と身体が震えた。
なに?
わたしは声のした方へ向かった。
でも、どこにもゲンガーのぬいぐるみはなかった。
人に尋ねることもできなかった。馬鹿にされるのが怖かったからだ。
あのぬいぐるみは、中学一年生の時、今は亡き父に買ってもらった大切なものなのに。本当は大好きなポケモンのぬいぐるみなのに。
わたしはその場で泣きじゃくるしかなかった。
そして、そんな時だった。
「ふざけんじゃねえぞ!!!!」
突如男の人の怒鳴り声が聞こえ、ビクッ!と身体が震えた。
なに?
わたしは声のした方へ向かった。
40:◆uFYnhQ7aPs投稿日:2020/01/05 06:57:42 ID:idididid
そこは本校舎の真裏で、普段は誰も立ち寄らない場所だった。そこには、先程の声の主と思われる上級生の男子生徒と、なぜかわたしのクラスメイトである女子生徒、高校に入ってからできた友達の一人がいた。
なにしてるの?
そう声をかける前に、女子生徒が声を張り上げた。
「なんなのよ!! アンタには関係ないじゃない!『こんなもの』早く卒業させる方があの子のためなの!!!」
こんなもの?
その子の手元に目をやり、ハッと息を飲んだ。
その子の手に、わたしのゲンガーのぬいぐるみが握られていたのだ。
なんで、どうして?
その時、私はこの場所に何があるのかを思い出した。
『焼却炉』だ。
なにしてるの?
そう声をかける前に、女子生徒が声を張り上げた。
「なんなのよ!! アンタには関係ないじゃない!『こんなもの』早く卒業させる方があの子のためなの!!!」
こんなもの?
その子の手元に目をやり、ハッと息を飲んだ。
その子の手に、わたしのゲンガーのぬいぐるみが握られていたのだ。
なんで、どうして?
その時、私はこの場所に何があるのかを思い出した。
『焼却炉』だ。
41:◆uFYnhQ7aPs投稿日:2020/01/05 06:58:41 ID:idididid
この子は私のゲンガーのぬいぐるみを焼こうとしているのだ。
状況を理解した途端、顔が青ざめていくのを感じた。
絶望で涙が止まらなかった。
恐怖で声が出なかった。
身体が動かない、止めないといけないはずなのに。
やめて、、お願いします、なんでもしますから、それだけはやめてください。
やめて、やめてよ……!
「やめろおおお!!!!!」
女子生徒が焼却炉にぬいぐるみを放る寸前で、上級生が女子生徒に突進し、押し倒した。
そして、ぬいぐるみが地面に落ちる。
助かった……?
状況を理解した途端、顔が青ざめていくのを感じた。
絶望で涙が止まらなかった。
恐怖で声が出なかった。
身体が動かない、止めないといけないはずなのに。
やめて、、お願いします、なんでもしますから、それだけはやめてください。
やめて、やめてよ……!
「やめろおおお!!!!!」
女子生徒が焼却炉にぬいぐるみを放る寸前で、上級生が女子生徒に突進し、押し倒した。
そして、ぬいぐるみが地面に落ちる。
助かった……?
42:◆uFYnhQ7aPs投稿日:2020/01/05 07:01:22 ID:idididid
「ッ!!? なんなのよアンタ!! 邪魔すんじゃないわよ!!!」
女子生徒は激昂して甲高い声で叫ぶ。
「私はあの子の友達なの!!!あんなガキみたい趣味捨てれば、もっと綺麗になれる!! 同性からも好かれるようになる!! だからあの子のためにもこうするしかないの!!! 部外者は関わってこないで!!!!」
何を言っているのか、最初は理解できなかった。
私のため……? この年になってぬいぐるみを持ち歩いてる私が原因……?
……まあ、たしかにそうだ。 同世代の友達でポケモンのぬいぐるみをカバンにつけているのはわたしくらいだ。
ああ、なんだ。おかしいのはわたしだったんだ。
じゃあ仕方な……
「もう一回だけ言う。『ふざけんじゃねえぞ』」
!!
女子生徒は激昂して甲高い声で叫ぶ。
「私はあの子の友達なの!!!あんなガキみたい趣味捨てれば、もっと綺麗になれる!! 同性からも好かれるようになる!! だからあの子のためにもこうするしかないの!!! 部外者は関わってこないで!!!!」
何を言っているのか、最初は理解できなかった。
私のため……? この年になってぬいぐるみを持ち歩いてる私が原因……?
……まあ、たしかにそうだ。 同世代の友達でポケモンのぬいぐるみをカバンにつけているのはわたしくらいだ。
ああ、なんだ。おかしいのはわたしだったんだ。
じゃあ仕方な……
「もう一回だけ言う。『ふざけんじゃねえぞ』」
!!
43:◆uFYnhQ7aPs投稿日:2020/01/05 07:02:24 ID:idididid
「ああ、たしかに俺は部外者だよ。だけどな、言わせてくれ……
人の好きなもん否定して邪魔する権利なんかなあ!! どこのどいつにもねえんだよ!!!」
ハッ、目が覚めるような感覚がした。
その言葉は、今間違いなく私を救った。
そんな感覚がしたのだ。
それ以降のことはあまりよく覚えていない。
これが先輩を初めて知った時のことだ。
人の好きなもん否定して邪魔する権利なんかなあ!! どこのどいつにもねえんだよ!!!」
ハッ、目が覚めるような感覚がした。
その言葉は、今間違いなく私を救った。
そんな感覚がしたのだ。
それ以降のことはあまりよく覚えていない。
これが先輩を初めて知った時のことだ。
45:◆uFYnhQ7aPs投稿日:2020/01/05 08:41:20 ID:idididid
後輩「先輩、国際孵化ってどうやってやるんですか?」
俺「ん? なんだよ急に。後輩は別に色違いとか興味ないだろ?」
後輩「それがですね、最近はマホイップを全種類揃えることに奮闘していまして、あと色違いだけでコンプなんです」
俺「なん……だと?」
後輩「てへ♪」
俺(だから最近アメざいくをカツアゲしに来たり、アンコールワットのやり方を聞きに来たりしてたのか……)
後輩「ちなみにイチゴはドリボ、ハートはラブボ、ベリーはヘビボ、四葉はフレボ、お花はスピボで統一してます。いずれも夢特性です」ドヤァ
俺「普通に凄いなお前」
俺「ん? なんだよ急に。後輩は別に色違いとか興味ないだろ?」
後輩「それがですね、最近はマホイップを全種類揃えることに奮闘していまして、あと色違いだけでコンプなんです」
俺「なん……だと?」
後輩「てへ♪」
俺(だから最近アメざいくをカツアゲしに来たり、アンコールワットのやり方を聞きに来たりしてたのか……)
後輩「ちなみにイチゴはドリボ、ハートはラブボ、ベリーはヘビボ、四葉はフレボ、お花はスピボで統一してます。いずれも夢特性です」ドヤァ
俺「普通に凄いなお前」
46:◆uFYnhQ7aPs投稿日:2020/01/05 08:42:30 ID:idididid
俺「そうだな。まず図鑑を埋めて『ひかるおまもり』をもらってこい。話はそれからだ」
後輩「えー、嫌です。ダルいです」
俺「俺の経験上、あるかないかで相当変わるぞ?俺も特殊進化とか手伝ってやるから。 な?」
後輩「……先輩のボックスをそのままわたしのボックスと交換すればいいんじゃないですか?」
俺「……だめだ」
後輩「えー!? なんでですか!!」
俺「図鑑埋めはポケモンの醍醐味の一つなんだよ!! ズルしたら、その楽しさを失ってしまうの!」
後輩「プレイスタイルは人それぞれです!」
俺「ならば俺の主張にも反論出来まい!」
後輩「ぐぬぬぬ……!」
後輩「えー、嫌です。ダルいです」
俺「俺の経験上、あるかないかで相当変わるぞ?俺も特殊進化とか手伝ってやるから。 な?」
後輩「……先輩のボックスをそのままわたしのボックスと交換すればいいんじゃないですか?」
俺「……だめだ」
後輩「えー!? なんでですか!!」
俺「図鑑埋めはポケモンの醍醐味の一つなんだよ!! ズルしたら、その楽しさを失ってしまうの!」
後輩「プレイスタイルは人それぞれです!」
俺「ならば俺の主張にも反論出来まい!」
後輩「ぐぬぬぬ……!」
47:◆uFYnhQ7aPs投稿日:2020/01/05 08:44:13 ID:idididid
後輩「……わかりました。では、きちんと『対価』を払います。でしたら、交換ということで認めてくれますよね?」
俺「……まあ、それなら」
後輩「じゃあ、こうしましょう」
後輩「図鑑埋め一匹につき、私が『先輩のお願いをなんでも聞く』というのはどうでしょうか?」
俺「は?」
俺「……まあ、それなら」
後輩「じゃあ、こうしましょう」
後輩「図鑑埋め一匹につき、私が『先輩のお願いをなんでも聞く』というのはどうでしょうか?」
俺「は?」
48:◆uFYnhQ7aPs投稿日:2020/01/05 08:44:50 ID:idididid
俺「それはどういう意味だ?」
後輩「そのままの意味です」
俺「……なんでも?」
後輩「はい、なんでも言うことを聞きます」
俺「ちなみに図鑑埋めはあと何体だ?」
後輩「約50体ですね。つまり50回分、命令を聞きます」
俺「正気か?」
後輩「正気です」
俺「……」
後輩「そのままの意味です」
俺「……なんでも?」
後輩「はい、なんでも言うことを聞きます」
俺「ちなみに図鑑埋めはあと何体だ?」
後輩「約50体ですね。つまり50回分、命令を聞きます」
俺「正気か?」
後輩「正気です」
俺「……」
49:◆uFYnhQ7aPs投稿日:2020/01/05 08:46:59 ID:idididid
俺(いや、待て俺。落ち着け俺。はやまるな)
俺(俺は今、試されているのだ。ここで今、下手に下衆な要求をすれば軽蔑されるに決まっている)
後輩「せんぱい? どうしたの?」
俺「い、いや。なんでも」
後輩「でも、顔が赤いよ?そんなに困りますか?」
俺(れいせいになれ、俺。お前はとくこうが上がってすばやさが下がる。お前はとくこうが上がってすばやさが下がる。とくこうが上がって)
後輩「……いいよ、先輩なら」ボソッ
俺「!」
後輩「なんでも、言うこと聞くから……ね?」
俺(俺は今、試されているのだ。ここで今、下手に下衆な要求をすれば軽蔑されるに決まっている)
後輩「せんぱい? どうしたの?」
俺「い、いや。なんでも」
後輩「でも、顔が赤いよ?そんなに困りますか?」
俺(れいせいになれ、俺。お前はとくこうが上がってすばやさが下がる。お前はとくこうが上がってすばやさが下がる。とくこうが上がって)
後輩「……いいよ、先輩なら」ボソッ
俺「!」
後輩「なんでも、言うこと聞くから……ね?」
50:◆uFYnhQ7aPs投稿日:2020/01/05 08:48:53 ID:idididid
俺「……わかったよ。命令する」
後輩「……うん」
俺「後輩……」
後輩「せん、ぱい……」
俺「お前は残りの50体を自力で図鑑埋めて来い。そしたら同じ50体を交換してやる」
後輩「……はい?」
後輩「……うん」
俺「後輩……」
後輩「せん、ぱい……」
俺「お前は残りの50体を自力で図鑑埋めて来い。そしたら同じ50体を交換してやる」
後輩「……はい?」
51:◆uFYnhQ7aPs投稿日:2020/01/05 08:49:34 ID:idididid
後輩「ちょ、ちょっと待ってください!それじゃ意味が」
俺「あれれー?なんでも言うこと聞くって言ったよなー?w」
後輩「こ、このっ!」
俺「じゃあ、そういうわけで。話はそれからだ。じゃあな!」
後輩「あ! 待って!」
後輩「……ばか」
俺「あれれー?なんでも言うこと聞くって言ったよなー?w」
後輩「こ、このっ!」
俺「じゃあ、そういうわけで。話はそれからだ。じゃあな!」
後輩「あ! 待って!」
後輩「……ばか」
59:◆uFYnhQ7aPs投稿日:2020/01/06 21:11:11 ID:idididid
数日後。
後輩「せんぱーい! ついに図鑑埋めおわりましたよ!」
俺「ほう、なかなか早いな。ついにお主もこの境地まで登ってきたというのか……」
後輩「そのしゃべり方まじでキモいのでやめた方がいいですよ?」
俺「ガチめの指摘やめてくれん?」
後輩「オタクのそういうしゃべり方は、周りに気を遣わせるということを自覚した方がいいです」
俺「すみません、勘弁してください……」
後輩「せんぱーい! ついに図鑑埋めおわりましたよ!」
俺「ほう、なかなか早いな。ついにお主もこの境地まで登ってきたというのか……」
後輩「そのしゃべり方まじでキモいのでやめた方がいいですよ?」
俺「ガチめの指摘やめてくれん?」
後輩「オタクのそういうしゃべり方は、周りに気を遣わせるということを自覚した方がいいです」
俺「すみません、勘弁してください……」
60:◆uFYnhQ7aPs投稿日:2020/01/06 21:12:08 ID:idididid
俺「本当にひとりでやったのか?」
後輩「いえ、弟にやらせ……手伝ってもらいました♪」
俺「おい」
後輩「心配いりません。通信進化とかを手伝ってもらったくらいです」
俺「本当かよ……弟くんも高校受験があるのに大変だな」
後輩「……あれ? わたし先輩に弟の話したことありましたっけ?」
俺「いや、ないよ。ツイッターで知り合った」
後輩「……は?」
後輩「いえ、弟にやらせ……手伝ってもらいました♪」
俺「おい」
後輩「心配いりません。通信進化とかを手伝ってもらったくらいです」
俺「本当かよ……弟くんも高校受験があるのに大変だな」
後輩「……あれ? わたし先輩に弟の話したことありましたっけ?」
俺「いや、ないよ。ツイッターで知り合った」
後輩「……は?」
61:◆uFYnhQ7aPs投稿日:2020/01/06 21:12:41 ID:idididid
俺「昨日とか二人で一時間くらい対戦で盛り上がってたな」
後輩「……はぁ!? ちょっと!勝手に人の親族と知り合いにならないでくださいよ!」
俺「仕方ないだろ、向こうからDM来たんだから。 ってかお前は逆に知らなかったのか?二週間くらい前から一緒にポケモンしてるぞ?」
後輩「はああ!!?」
後輩「……はぁ!? ちょっと!勝手に人の親族と知り合いにならないでくださいよ!」
俺「仕方ないだろ、向こうからDM来たんだから。 ってかお前は逆に知らなかったのか?二週間くらい前から一緒にポケモンしてるぞ?」
後輩「はああ!!?」
62:◆uFYnhQ7aPs投稿日:2020/01/06 21:14:07 ID:idididid
後輩(たしかに弟に先輩の話はしてたけど、どうやって……? あ、そっか!私が先輩のポケモンアカウントをフォローしてたから……!)
俺「お前、家で俺の話ばかりしてるそうだな?」
後輩「はぅ!?」
俺「ったく……身内にまで俺の恥ずかしい話することないだろ」
後輩「え? あ、はい。ごめんなさい?」
俺「あ、じゃあこれも知らないと思うが、今週末の土曜に弟くんと一緒にポケセンに行くから」
後輩「……はああ!!?」
俺「お前、家で俺の話ばかりしてるそうだな?」
後輩「はぅ!?」
俺「ったく……身内にまで俺の恥ずかしい話することないだろ」
後輩「え? あ、はい。ごめんなさい?」
俺「あ、じゃあこれも知らないと思うが、今週末の土曜に弟くんと一緒にポケセンに行くから」
後輩「……はああ!!?」
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63:◆uFYnhQ7aPs投稿日:2020/01/06 21:14:56 ID:idididid
後輩「ず、ずるい!ずるいですよ!!」
俺「な、なんでだよ。お前はいつも弟くんに会ってるだろ」
後輩「そうじゃなくて……!」
後輩(わたしだって、まだ学校以外の場所で先輩と遊んだことなんてないのに……!)
後輩「……わたしも行きます」
俺「……は?」
後輩「弟を見知らぬ人に預けるなんて看過できません!! わたしもついて行きます!!」
俺「いや、見知らぬ人じゃねえし、ブラコンかよ」
後輩「とにかく!!わたしもついていきます!!!!」
俺「な、なんでだよ。お前はいつも弟くんに会ってるだろ」
後輩「そうじゃなくて……!」
後輩(わたしだって、まだ学校以外の場所で先輩と遊んだことなんてないのに……!)
後輩「……わたしも行きます」
俺「……は?」
後輩「弟を見知らぬ人に預けるなんて看過できません!! わたしもついて行きます!!」
俺「いや、見知らぬ人じゃねえし、ブラコンかよ」
後輩「とにかく!!わたしもついていきます!!!!」
64:◆uFYnhQ7aPs投稿日:2020/01/06 21:15:38 ID:idididid
当日。
俺「おー、弟くん。ごめん待たせたな」
弟「いや、まだ集合時間前っスよ?全然大丈夫スって」
後輩「……わたしもいるんですけど」
俺「分かってる。よっ、後輩」
後輩「……わたしの格好について何も感想ないんですか?」
俺「感想? ああ、Ptの女主人公みたいな格好だな。脚寒くないのか?」
後輩「そういうことじゃないです!!!」
俺「お、おう?」
弟「うるせえよねーちゃん。アニキが困ってんだろ」
後輩「あにッ!?」
俺「おー、弟くん。ごめん待たせたな」
弟「いや、まだ集合時間前っスよ?全然大丈夫スって」
後輩「……わたしもいるんですけど」
俺「分かってる。よっ、後輩」
後輩「……わたしの格好について何も感想ないんですか?」
俺「感想? ああ、Ptの女主人公みたいな格好だな。脚寒くないのか?」
後輩「そういうことじゃないです!!!」
俺「お、おう?」
弟「うるせえよねーちゃん。アニキが困ってんだろ」
後輩「あにッ!?」
65:◆uFYnhQ7aPs投稿日:2020/01/06 21:16:49 ID:idididid
俺「やめろよな、その呼び方」
弟「いや、俺さんは自分にとって兄のような存在っス。アニキがいなかったら、自分は一生スパボ級を彷徨っていた……」
俺「はは、大袈裟だよ。俺は少し構築についてアドバイスしただけさ。弟くんの実力だよ」
弟「アニキ……!」
後輩「え、なにこの置き去り感……。二週間で仲良くなりすぎじゃないですか?」
俺「はは、でも最初にDM来たときは驚いたよ。『自分とバトルしてください。アンタがねーちゃんに相応しいか確かめてやる』ってさw」
後輩「はいぃ!?」
弟「その話はやめてくださいよw でも、アニキには何回挑んでも勝てなくて、これは認めるしかねえなって」
後輩「ちょ、ちょっと!わたしとせんぱいはそんなんじゃ……」
俺「お、そろそろ行こうぜ。今が一番人が少ない時間だからな」
後輩「スルーしないでください!」
弟「いや、俺さんは自分にとって兄のような存在っス。アニキがいなかったら、自分は一生スパボ級を彷徨っていた……」
俺「はは、大袈裟だよ。俺は少し構築についてアドバイスしただけさ。弟くんの実力だよ」
弟「アニキ……!」
後輩「え、なにこの置き去り感……。二週間で仲良くなりすぎじゃないですか?」
俺「はは、でも最初にDM来たときは驚いたよ。『自分とバトルしてください。アンタがねーちゃんに相応しいか確かめてやる』ってさw」
後輩「はいぃ!?」
弟「その話はやめてくださいよw でも、アニキには何回挑んでも勝てなくて、これは認めるしかねえなって」
後輩「ちょ、ちょっと!わたしとせんぱいはそんなんじゃ……」
俺「お、そろそろ行こうぜ。今が一番人が少ない時間だからな」
後輩「スルーしないでください!」
66:◆uFYnhQ7aPs投稿日:2020/01/06 21:17:48 ID:idididid
後輩「先輩みてください!せんぱいのぬいぐるみです!」
俺「は? ああ、サルノリね。等身大だとまあまあでかいのな」
後輩「かわいいですよね!?」
俺「お、おう。かわいいよ」
後輩「♪」
弟「ねーちゃん、そんなデカいのやめとけよ。ただでさえ、ねーちゃんの部屋はぬいぐるみだらけなんだから……」
後輩「は?」ギロッ
弟「ひぃっ!」
俺「なんか今、姉弟の闇が垣間見えたような……」
俺「は? ああ、サルノリね。等身大だとまあまあでかいのな」
後輩「かわいいですよね!?」
俺「お、おう。かわいいよ」
後輩「♪」
弟「ねーちゃん、そんなデカいのやめとけよ。ただでさえ、ねーちゃんの部屋はぬいぐるみだらけなんだから……」
後輩「は?」ギロッ
弟「ひぃっ!」
俺「なんか今、姉弟の闇が垣間見えたような……」
67:◆uFYnhQ7aPs投稿日:2020/01/06 21:19:04 ID:idididid
俺(このサイズだと……うひゃ、5000以上するな。 さすがに俺の財布じゃ厳しいぞ……)
後輩「わたしこれ買います」
弟「は!?」
俺「まじ?」
後輩「まじです。今日からせんぱいはうちの子です」
俺「勘違いされるからまじでその呼び方やめろ」
弟「いいなぁ。高校生はバイトできて」
後輩「ふふん、これが姉の財力よ?ひれ伏しなさい」
弟「うわ、うざっ」
俺「まて、後輩。どうせ買うなら別の個体にしろ。そいつは左右の手足の長さが若干違っていて自立しづらい。こっちの個体にしろ」
後輩「先輩はぬいぐるみでも厳選してるんですね……わかりました。その子にします」
後輩「わたしこれ買います」
弟「は!?」
俺「まじ?」
後輩「まじです。今日からせんぱいはうちの子です」
俺「勘違いされるからまじでその呼び方やめろ」
弟「いいなぁ。高校生はバイトできて」
後輩「ふふん、これが姉の財力よ?ひれ伏しなさい」
弟「うわ、うざっ」
俺「まて、後輩。どうせ買うなら別の個体にしろ。そいつは左右の手足の長さが若干違っていて自立しづらい。こっちの個体にしろ」
後輩「先輩はぬいぐるみでも厳選してるんですね……わかりました。その子にします」
69:◆uFYnhQ7aPs投稿日:2020/01/06 21:21:17 ID:idididid
弟「アニキは何も買わないんスか?」
俺「俺はぬいぐるみよりも実用品ばっか見ちゃうな。この三犬のタンブラーとか格好よくないか?」
弟「渋いくていいっスね。屏風絵?みたいな。あ、こっちにそれのカードスリーブがあるみたいっス」
俺「え、やばいこれめっちゃいいな。ポケカはやらないけど、これも買っとくか」
弟「自分は少しだけかじったことがあるんで、今度一緒にやります?」
俺「いいのか? じゃあ次回頼むよ」
弟「はいっス」
後輩(……また置いてけぼりにされてる)
俺「俺はぬいぐるみよりも実用品ばっか見ちゃうな。この三犬のタンブラーとか格好よくないか?」
弟「渋いくていいっスね。屏風絵?みたいな。あ、こっちにそれのカードスリーブがあるみたいっス」
俺「え、やばいこれめっちゃいいな。ポケカはやらないけど、これも買っとくか」
弟「自分は少しだけかじったことがあるんで、今度一緒にやります?」
俺「いいのか? じゃあ次回頼むよ」
弟「はいっス」
後輩(……また置いてけぼりにされてる)



70:◆uFYnhQ7aPs投稿日:2020/01/06 21:23:25 ID:idididid
買い物終了後。
俺「だいぶ遅い時間になっちまったな」
弟「ポケセンにいると時間が経つの早いっスよね」
俺「わかる」
後輩(せっかく先輩と遊びに来たのに、もっとしゃべりたかったなぁ……)
弟「あ、いけね。自分これから予備校あるんでした」
俺「ん?そうだったのか。間に合う?」
弟「はい。申し訳ないっスけど、自分はここで。ねーちゃんのことお願いしてもいいっスか?」
後輩「!?」
俺「ああ、別に今日は暇だからな」
後輩「え、え……?」
弟「じゃあ、そういうことで。今日は楽しかったっス」
俺「おう、またな」
俺「だいぶ遅い時間になっちまったな」
弟「ポケセンにいると時間が経つの早いっスよね」
俺「わかる」
後輩(せっかく先輩と遊びに来たのに、もっとしゃべりたかったなぁ……)
弟「あ、いけね。自分これから予備校あるんでした」
俺「ん?そうだったのか。間に合う?」
弟「はい。申し訳ないっスけど、自分はここで。ねーちゃんのことお願いしてもいいっスか?」
後輩「!?」
俺「ああ、別に今日は暇だからな」
後輩「え、え……?」
弟「じゃあ、そういうことで。今日は楽しかったっス」
俺「おう、またな」
71:◆uFYnhQ7aPs投稿日:2020/01/06 21:24:45 ID:idididid
弟「あ、ねーちゃん」
後輩「?」
弟「今日母ちゃん遅くなるらしいから、晩ご飯食べてこいってさ」ニヤ
後輩「!?」
弟「じゃあ、また今度遊びましょう」タタタ
俺「おう、勉強頑張れよー」
後輩「……」
後輩「?」
弟「今日母ちゃん遅くなるらしいから、晩ご飯食べてこいってさ」ニヤ
後輩「!?」
弟「じゃあ、また今度遊びましょう」タタタ
俺「おう、勉強頑張れよー」
後輩「……」
72:◆uFYnhQ7aPs投稿日:2020/01/06 21:26:15 ID:idididid
俺「じゃあ、一緒に飯でもいく?」
後輩「あ、えっと……その……はい」
俺「どうした?今日のお前なんか変だぞ?」
後輩「! なんでもないです!」
俺「?」
後輩「はやく行きますよ!先輩の奢りですからね!!」
俺「ちょ!? まじで金ないの知ってるよね!?」
そのあと、いつものようなくだらないやり取りをしながら、二人で外食をし、後輩を家まで送り届けたのであった。
後輩「あ、えっと……その……はい」
俺「どうした?今日のお前なんか変だぞ?」
後輩「! なんでもないです!」
俺「?」
後輩「はやく行きますよ!先輩の奢りですからね!!」
俺「ちょ!? まじで金ないの知ってるよね!?」
そのあと、いつものようなくだらないやり取りをしながら、二人で外食をし、後輩を家まで送り届けたのであった。
76:◆uFYnhQ7aPs投稿日:2020/01/06 23:21:45 ID:idididid
それは、きっと運命だったんだろう。
すべては、登校中の電車の中で、ゲンガーのぬいぐるみをカバンにつけた同じ高校の女子生徒を見つけたのがきっかけだ。
「こんな可愛い子でも、ポケモンのぬいぐるみをカバンにつけたりするのか」
初めて見たときはそんな感想を抱いた。
俺とその子は、降りる駅が近いためか、度々登下校の際に同じ電車に乗ることが多かった。
だが、それだけだ。ジロジロ見たり、声をかけたり、そんなストーカーじみた真似をするつもりはない。
こんな可愛い子に彼氏がいないわけがない。
変にちょっかいをだして、クラスの人気者みたいな奴から反感を買うのは厄介だ。
それに、ポケモン好きだからといって、ポケモンのグッズを身につけている人に好き勝手に話しかけていいわけではない。
ただ、電車のタイミングが重なった日は、「今日はラッキーだ」くらいに思っていた。
すべては、登校中の電車の中で、ゲンガーのぬいぐるみをカバンにつけた同じ高校の女子生徒を見つけたのがきっかけだ。
「こんな可愛い子でも、ポケモンのぬいぐるみをカバンにつけたりするのか」
初めて見たときはそんな感想を抱いた。
俺とその子は、降りる駅が近いためか、度々登下校の際に同じ電車に乗ることが多かった。
だが、それだけだ。ジロジロ見たり、声をかけたり、そんなストーカーじみた真似をするつもりはない。
こんな可愛い子に彼氏がいないわけがない。
変にちょっかいをだして、クラスの人気者みたいな奴から反感を買うのは厄介だ。
それに、ポケモン好きだからといって、ポケモンのグッズを身につけている人に好き勝手に話しかけていいわけではない。
ただ、電車のタイミングが重なった日は、「今日はラッキーだ」くらいに思っていた。
77:◆uFYnhQ7aPs投稿日:2020/01/06 23:24:17 ID:idididid
ところが、ある日の下校時間。
見知らぬ女子生徒が、あの子のゲンガーのぬいぐるみを持って、慌てて校舎裏に駆けて行くのを見た。
なんだ?何事だ?嫌な予感が背筋に走る。
次の瞬間には、俺はその女子生徒の後を追い掛けていた。
校舎裏。
そこで彼女は、今まさに焼却炉にぬいぐるみを放り込もうとする寸前のところだった。
「何をしてるんだ?」
俺は彼女に問いかけた。
その行動を一時的でもいいのでやめさせるため、適当に話しかけたのだ。
人に話しかけられる事を想定していなかったのか、女子生徒は慌ててこちらに振り返る。
「な、なに? 上級生……? ……いえ。別に、要らなくなった人形を捨てようとしているだけですよ」
女子生徒は冷静を装いながらもそう言った。
いや、目が泳いでいる、はったりだ。
ならば、こちらもはったりを仕掛けるしかない。
「いや、なに。俺の知り合いがそれと同じ人形を探しててな? 君の持ってるそれじゃないかと思うんだけど」
一瞬だが、女子生徒はぎょっとした顔をした。
だが、すぐに澄ました顔に戻り、なおも虚言を続ける。
「いえ、これはわたしの人形ですよ?ゲームセンターでとった景品なので、たしかに他の人も同じものを持っているかもしれないですね」
見知らぬ女子生徒が、あの子のゲンガーのぬいぐるみを持って、慌てて校舎裏に駆けて行くのを見た。
なんだ?何事だ?嫌な予感が背筋に走る。
次の瞬間には、俺はその女子生徒の後を追い掛けていた。
校舎裏。
そこで彼女は、今まさに焼却炉にぬいぐるみを放り込もうとする寸前のところだった。
「何をしてるんだ?」
俺は彼女に問いかけた。
その行動を一時的でもいいのでやめさせるため、適当に話しかけたのだ。
人に話しかけられる事を想定していなかったのか、女子生徒は慌ててこちらに振り返る。
「な、なに? 上級生……? ……いえ。別に、要らなくなった人形を捨てようとしているだけですよ」
女子生徒は冷静を装いながらもそう言った。
いや、目が泳いでいる、はったりだ。
ならば、こちらもはったりを仕掛けるしかない。
「いや、なに。俺の知り合いがそれと同じ人形を探しててな? 君の持ってるそれじゃないかと思うんだけど」
一瞬だが、女子生徒はぎょっとした顔をした。
だが、すぐに澄ました顔に戻り、なおも虚言を続ける。
「いえ、これはわたしの人形ですよ?ゲームセンターでとった景品なので、たしかに他の人も同じものを持っているかもしれないですね」
78:◆uFYnhQ7aPs投稿日:2020/01/06 23:25:53 ID:idididid
なんとも上手い返しだ。俺以外の人間だったら、まんまと騙されていたことだろう。 しかし、相手が俺だったのが運の尽きだな。 お前は今、墓穴を掘った。
「ん? 変だな。そのぬいぐるみは三年前にポケモンセンター限定で販売されていたものだぞ? それが何故、今頃になってゲーセンの景品になってるんだ?」
「!?」
そう。
俺はあの子のゲンガーが、いつ、どこで販売されたものなのか、事前に調べていたのだ。こういう言い方をすると、女の子の持ち物を調査しているのは、やはりストーカーっぽいと思うかもしれない。
しかし、俺が気になったのはあくまでぬいぐるみの方である。誤解しないでくれ。
「ラベルを見てみろよ。発売された年が書かれているはずだ。君のだと言うのなら、一度ラベルを見せてくれ」
「……」
女子生徒は苦虫を噛み潰したような顔でこちらを睨み、何かを考えているようだった。
「ん? 変だな。そのぬいぐるみは三年前にポケモンセンター限定で販売されていたものだぞ? それが何故、今頃になってゲーセンの景品になってるんだ?」
「!?」
そう。
俺はあの子のゲンガーが、いつ、どこで販売されたものなのか、事前に調べていたのだ。こういう言い方をすると、女の子の持ち物を調査しているのは、やはりストーカーっぽいと思うかもしれない。
しかし、俺が気になったのはあくまでぬいぐるみの方である。誤解しないでくれ。
「ラベルを見てみろよ。発売された年が書かれているはずだ。君のだと言うのなら、一度ラベルを見せてくれ」
「……」
女子生徒は苦虫を噛み潰したような顔でこちらを睨み、何かを考えているようだった。
79:◆uFYnhQ7aPs投稿日:2020/01/06 23:27:37 ID:idididid
女子生徒は逡巡したあと、大きなため息を吐いた。
「……で、なに? たしかにこの人形は私のものじゃないけど、それがなんだって言うの?」
……ここまで開き直られると、反応に困るな。
「いや、なんで他人のぬいぐるみを燃やそうとしてるんだ? そいつに燃やしてくれと頼まれたのか?」
「そんなわけないでしょ。私だって好きでこんなことしてるんじゃないわよ」
は?こいつは何を言ってるんだ?
「……じゃあどうしてこんなことを?」
「……で、なに? たしかにこの人形は私のものじゃないけど、それがなんだって言うの?」
……ここまで開き直られると、反応に困るな。
「いや、なんで他人のぬいぐるみを燃やそうとしてるんだ? そいつに燃やしてくれと頼まれたのか?」
「そんなわけないでしょ。私だって好きでこんなことしてるんじゃないわよ」
は?こいつは何を言ってるんだ?
「……じゃあどうしてこんなことを?」
80:◆uFYnhQ7aPs投稿日:2020/01/06 23:28:40 ID:idididid
「うちのクラスにね、めちゃくちゃ可愛い友達がいるの。休み時間に他のクラスの男子が見物に来たり、サッカー部の部長に入学して一ヶ月で告白されたり、それそれは本当に可愛い子なの」
「つまり、僻み……か? 腹いせでこんなことを?」
「は?そんな陰湿なことしないわよ。私はあの子の友達なのよ?」
この女が何を言いたいのか、よく分からない。
それがどうして、人形を燃やすことに繋がるのか。
「つまり、僻み……か? 腹いせでこんなことを?」
「は?そんな陰湿なことしないわよ。私はあの子の友達なのよ?」
この女が何を言いたいのか、よく分からない。
それがどうして、人形を燃やすことに繋がるのか。
81:◆uFYnhQ7aPs投稿日:2020/01/06 23:30:12 ID:idididid
「本当に可愛いんだけど、ただね。少しその子って子供っぽいの。言動とか、服の趣味とか、持ち物とか。ただでさえモテすぎて他の女子から嫌われてるのに、余計にそういうところが嫌われてるの。
特にこの『お人形』。何度注意してあげても、学校に持ってきて、下校時間になったらカバンに付けて。この歳でお人形を大事にしてるなんて正直痛々しいわ。
だからね。友達の物を勝手に燃やすなんて心苦しいけど、私がやるしかないの。あの子のためにも、心を鬼にして、早めにお子様な趣味から『卒業』させてあげるの。そうすれば、もっとクラスの女子からも好かれるようになるわ」
特にこの『お人形』。何度注意してあげても、学校に持ってきて、下校時間になったらカバンに付けて。この歳でお人形を大事にしてるなんて正直痛々しいわ。
だからね。友達の物を勝手に燃やすなんて心苦しいけど、私がやるしかないの。あの子のためにも、心を鬼にして、早めにお子様な趣味から『卒業』させてあげるの。そうすれば、もっとクラスの女子からも好かれるようになるわ」
82:◆uFYnhQ7aPs投稿日:2020/01/06 23:31:23 ID:idididid
「わかります?私だって辛くないわけじゃないんですよ?」
「……ねぇぞ」
「え?」
「ふざけんじゃねえぞ!!! てめえ!!!」
「ひぃっ!!」
「……ねぇぞ」
「え?」
「ふざけんじゃねえぞ!!! てめえ!!!」
「ひぃっ!!」
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83:◆uFYnhQ7aPs投稿日:2020/01/06 23:32:22 ID:idididid
俺はこの時、自分の中学の頃のことを思い出していた。
***
俺の母親は私立中学の教師をしており、幼少の頃より教育に厳しい人だった。
私立の小学校を受験させられ、地元で名門の中学校に進学させられ、毎日家で長時間勉強の日々だった。
そんな中で、ひょんなことをきっかけに、俺は『ポケットモンスター』という娯楽に出会ったのだ。
未知の動物達との触れ合いや計算された心理的読み合いを楽しめるバトル。これらに中学生の俺は魅了された。
しかし、勉強を疎かにするわけにはいかない。
母親の望む高校に合格し、それが叶ったら、思いっきりポケモンを楽しもうと心に決め、しばらく封印していた。
***
俺の母親は私立中学の教師をしており、幼少の頃より教育に厳しい人だった。
私立の小学校を受験させられ、地元で名門の中学校に進学させられ、毎日家で長時間勉強の日々だった。
そんな中で、ひょんなことをきっかけに、俺は『ポケットモンスター』という娯楽に出会ったのだ。
未知の動物達との触れ合いや計算された心理的読み合いを楽しめるバトル。これらに中学生の俺は魅了された。
しかし、勉強を疎かにするわけにはいかない。
母親の望む高校に合格し、それが叶ったら、思いっきりポケモンを楽しもうと心に決め、しばらく封印していた。
84:◆uFYnhQ7aPs投稿日:2020/01/06 23:33:35 ID:idididid
そして、その私立の高校の合格発表の日。
なんとか俺は合格することができた。
やった、これで好きなだけポケモンができる。
俺は急いで家に帰った。1秒でも早くポケモンがしたい。柄にもなく息を切らしながら家へと急いだ。
しかし、結果として、その日はポケモンをすることはできなかった。
【母にゲーム機ごと捨てられてしまったのだ】
「あんなもの生きていく上で必要ないでしょう? 合格したからといって安心してはいけません。今から勉強しておけば、他の子達より有利に立てる。さあ、大学受験はもう始まっているのよ?」
母にそう言われた瞬間、自分の中で何かが切れる音がした。
俺の唯一の生きる喜びを奪われた悲しみ、絶望、嘆き。それらは言葉で表せるようなものではなかった。
なんとか俺は合格することができた。
やった、これで好きなだけポケモンができる。
俺は急いで家に帰った。1秒でも早くポケモンがしたい。柄にもなく息を切らしながら家へと急いだ。
しかし、結果として、その日はポケモンをすることはできなかった。
【母にゲーム機ごと捨てられてしまったのだ】
「あんなもの生きていく上で必要ないでしょう? 合格したからといって安心してはいけません。今から勉強しておけば、他の子達より有利に立てる。さあ、大学受験はもう始まっているのよ?」
母にそう言われた瞬間、自分の中で何かが切れる音がした。
俺の唯一の生きる喜びを奪われた悲しみ、絶望、嘆き。それらは言葉で表せるようなものではなかった。
85:◆uFYnhQ7aPs投稿日:2020/01/06 23:34:33 ID:idididid
翌日、俺は母のハイブランドの財布をフリマアプリで売却し、その金でゲーム機本体とポケモンのソフトを買った。
ばれた時、母は俺に激怒したが、俺はこう言い返した。
「10万円以上する財布なんて生きる上で必要ないよね?」
俺はそう言って、母の顔に、バラバラに破った例の私立の合格通知書と振込書を叩きつけた。
そういった経緯で、俺は今の公立の高校に通っている。
***
ばれた時、母は俺に激怒したが、俺はこう言い返した。
「10万円以上する財布なんて生きる上で必要ないよね?」
俺はそう言って、母の顔に、バラバラに破った例の私立の合格通知書と振込書を叩きつけた。
そういった経緯で、俺は今の公立の高校に通っている。
***
86:◆uFYnhQ7aPs投稿日:2020/01/06 23:36:40 ID:idididid
俺は思った。
この女があの子にしようとしていることは、数年前に母が俺にしたことと同じだ。
「本人のため」のように恩着せがましく言うくせに、その実は「自分が気に入らない」だけだ。
お前がそう思うのは勝手だよ。
たしかに一理あるとも思う。
でもな、他人にそれを押し付けるなよ?
お前の価値観をまるで絶対的正義のように語るなよ?
たとえ、それが親だろうが、兄弟だろうが、友達だろうが、
「人の好きなもん否定して邪魔する権利なんかなあ!! どこのどいつにもねえんだよ!!!」
***
それ以降のことはあまり覚えていない。
気がつけば、俺の手にはゲンガーのぬいぐるみが握られていた。
俺と後輩が出会うのは、これよりもう少しあとの話である。
この女があの子にしようとしていることは、数年前に母が俺にしたことと同じだ。
「本人のため」のように恩着せがましく言うくせに、その実は「自分が気に入らない」だけだ。
お前がそう思うのは勝手だよ。
たしかに一理あるとも思う。
でもな、他人にそれを押し付けるなよ?
お前の価値観をまるで絶対的正義のように語るなよ?
たとえ、それが親だろうが、兄弟だろうが、友達だろうが、
「人の好きなもん否定して邪魔する権利なんかなあ!! どこのどいつにもねえんだよ!!!」
***
それ以降のことはあまり覚えていない。
気がつけば、俺の手にはゲンガーのぬいぐるみが握られていた。
俺と後輩が出会うのは、これよりもう少しあとの話である。
90:◆uFYnhQ7aPs投稿日:2020/01/07 02:21:06 ID:idididid
後輩「先輩、海外産6Vメタモン欲しいです!」
俺「……持ってないよ」
後輩「はい、ダウト。では先輩が今国際孵化で使ってる海外産メタモンの個体値を教えてください」
俺「くっ!」
後輩「ねえ、せんぱい。わたし、先輩が海外産6Vメタモンをくれるならどんなことだって……」
俺「やめろ、俺がどうせ何も出来ないからってそういうこと言うのは」
後輩「ちぇっ」
俺「別にお前は対戦とかしないんだから個体値とかなんでもいいだろ?」
後輩「でもどうせ産んであげるならエリートに産んであげたいじゃないですか!」
俺「そういうのを親のエゴと言うんだ。いやだ、絶対にあげない」
後輩「ぶー!」

俺「……持ってないよ」
後輩「はい、ダウト。では先輩が今国際孵化で使ってる海外産メタモンの個体値を教えてください」
俺「くっ!」
後輩「ねえ、せんぱい。わたし、先輩が海外産6Vメタモンをくれるならどんなことだって……」
俺「やめろ、俺がどうせ何も出来ないからってそういうこと言うのは」
後輩「ちぇっ」
俺「別にお前は対戦とかしないんだから個体値とかなんでもいいだろ?」
後輩「でもどうせ産んであげるならエリートに産んであげたいじゃないですか!」
俺「そういうのを親のエゴと言うんだ。いやだ、絶対にあげない」
後輩「ぶー!」
91:◆uFYnhQ7aPs投稿日:2020/01/07 02:22:15 ID:idididid
後輩「そもそもなんで先輩はそのメタモン持ってるんですか!ずるいです!」
俺「俺はツイッターの募集でレアボ9種と交換してもらった。でも割とザシアン+剣とかマスボとかで募集あるぞ?」
後輩「わたしシールドですし、マスターボールはザマゼンタに使っちゃいました」
俺「あちゃー……」
俺「俺はツイッターの募集でレアボ9種と交換してもらった。でも割とザシアン+剣とかマスボとかで募集あるぞ?」
後輩「わたしシールドですし、マスターボールはザマゼンタに使っちゃいました」
俺「あちゃー……」
92:◆uFYnhQ7aPs投稿日:2020/01/07 02:23:23 ID:idididid
俺「後輩よ、何も海外6Vメタモンじゃないと国際孵化ができないわけじゃないぞ?マジカル交換で海外産の高個体♂が流れてくるまで粘る方法もある」
俺「それにな、個体値に拘らないなら、通信交換パスワード4448で海外のメタモン交換専用部屋に繋がる。俺も最初はそこでもらった北米産4Vメタモンとかで国際孵化してた」
俺「そういう努力をした者のもとに、海外産メタモンはやってくるんだ。何事もまず一歩から、だろ?」
後輩「で、先輩は結局くれるんですか?」
俺「ねえ話を聞いて?」
俺「それにな、個体値に拘らないなら、通信交換パスワード4448で海外のメタモン交換専用部屋に繋がる。俺も最初はそこでもらった北米産4Vメタモンとかで国際孵化してた」
俺「そういう努力をした者のもとに、海外産メタモンはやってくるんだ。何事もまず一歩から、だろ?」
後輩「で、先輩は結局くれるんですか?」
俺「ねえ話を聞いて?」
93:◆uFYnhQ7aPs投稿日:2020/01/07 02:25:23 ID:idididid
俺「……あれだろ?国際孵化ってマホミルのだろ?」
後輩「はい。マホイップを夢特性で色違いを5種類揃えるのが今のわたしの夢ですから」
俺「全国でもそんな夢を持ってる女子高生はお前くらいだと思うが……それなら6VよりもA0の方がいいぞ。マホイップを物理型で使うのはあり得ないからな」
後輩「A0?」
俺「こうげきが0の個体のこと。イカサマや混乱ダメージの軽減や、相手のちからをすいとるの回復量を下げることができる。物理技を使わないなら、Aはなるべく小さい方がいい。まあほぼ自己満の域だが」
後輩「早口すぎて聞き取れません」
俺「……すまん」
後輩「はい。マホイップを夢特性で色違いを5種類揃えるのが今のわたしの夢ですから」
俺「全国でもそんな夢を持ってる女子高生はお前くらいだと思うが……それなら6VよりもA0の方がいいぞ。マホイップを物理型で使うのはあり得ないからな」
後輩「A0?」
俺「こうげきが0の個体のこと。イカサマや混乱ダメージの軽減や、相手のちからをすいとるの回復量を下げることができる。物理技を使わないなら、Aはなるべく小さい方がいい。まあほぼ自己満の域だが」
後輩「早口すぎて聞き取れません」
俺「……すまん」
94:◆uFYnhQ7aPs投稿日:2020/01/07 02:27:33 ID:idididid
俺(たしかこの前、マジカルで海外産A05Vのゴースの♂が流れてきたよな……あ、いたいた)
俺「ほれ、こいつをやるよ。マホミルは♀しか生まれないし、このゴースなら海外産A05Vメタモンと同じ役割を果たせる」
後輩「え!ホントですか!?」
俺「ああ。ただ、夢特性粘るなら親がちゃんと夢か確認してから預けろよ?」
後輩「はい!ありがとうございます!だいす……はっ!」
俺「は?」
後輩「い、いえ! なんでもないですっ!」
後輩(あぶないあぶない……つい口に出すところでした)
俺「ほれ、こいつをやるよ。マホミルは♀しか生まれないし、このゴースなら海外産A05Vメタモンと同じ役割を果たせる」
後輩「え!ホントですか!?」
俺「ああ。ただ、夢特性粘るなら親がちゃんと夢か確認してから預けろよ?」
後輩「はい!ありがとうございます!だいす……はっ!」
俺「は?」
後輩「い、いえ! なんでもないですっ!」
後輩(あぶないあぶない……つい口に出すところでした)
95:◆uFYnhQ7aPs投稿日:2020/01/07 02:28:58 ID:idididid
俺「ま、国際孵化は気長にな?出る時はすぐ出るが、出ない時は1000個割っても出ないこともあるんだ」
後輩「ちなみに先輩はカジッチュ何体目ですか?」
俺「……1566(約52ボックス分)」
後輩「ひぃ!?」
俺「……後輩、ワイルドエリアの預け屋には絶対預けるな。5番道路に預けろ。いいな?」
後輩「は、はい」
後輩(なんでしょう……この言葉の重みは……)
後輩「ちなみに先輩はカジッチュ何体目ですか?」
俺「……1566(約52ボックス分)」
後輩「ひぃ!?」
俺「……後輩、ワイルドエリアの預け屋には絶対預けるな。5番道路に預けろ。いいな?」
後輩「は、はい」
後輩(なんでしょう……この言葉の重みは……)
96:◆uFYnhQ7aPs投稿日:2020/01/07 02:32:53 ID:idididid
後輩宅。
後輩「んー、なかなか出ないなー。……なんか暇だから、先輩に文句言ってやる」
後輩『せんぱーい!』
後輩『15コ割りましたけどでません!』
後輩『どうしてくれるんですか(スタンプ)」
俺『確率512分の1だぞ?』
俺『あまえるな(スタンプ)』
後輩「ふふん♪」
後輩「んー、なかなか出ないなー。……なんか暇だから、先輩に文句言ってやる」
後輩『せんぱーい!』
後輩『15コ割りましたけどでません!』
後輩『どうしてくれるんですか(スタンプ)」
俺『確率512分の1だぞ?』
俺『あまえるな(スタンプ)』
後輩「ふふん♪」
97:◆uFYnhQ7aPs投稿日:2020/01/07 02:34:06 ID:idididid
余談。
後輩(は!? 先輩にもらったゴースとわたしのマホミルが産んだ子って……)
後輩(実質、わたし達の子どもってことになるんじゃ……!)
※なりません。
後輩(は!? 先輩にもらったゴースとわたしのマホミルが産んだ子って……)
後輩(実質、わたし達の子どもってことになるんじゃ……!)
※なりません。
98:サイホーン@あやしいパッチ投稿日:2020/01/07 02:53:53 ID:h4sEeKZ.
メタモン専用部屋はまじ?
支援!
支援!
102:レディバ@ミアレガレット投稿日:2020/01/07 17:13:32 ID:/wE.91WU
支援
これ実話だったらスゲーな
これ実話だったらスゲーな
107:ヒバニー@ぎんのこな投稿日:2020/01/07 22:35:24 ID:ja1QuzjQ
>>102
実話なワケねーだろ頭お花畑か?
実話なワケ…ねーだろ(震え声)
支援
実話なワケねーだろ頭お花畑か?
実話なワケ…ねーだろ(震え声)
支援
110:ヘラクロス@エスパージュエル投稿日:2020/01/08 16:06:06 ID:KpWg2yII
>>107
そ、そうッスよね、実話なワケないですよね
実話なワケ……ないですよね(震え声)
支援
そ、そうッスよね、実話なワケないですよね
実話なワケ……ないですよね(震え声)
支援
111:◆uFYnhQ7aPs投稿日:2020/01/08 16:45:36 ID:idididid
後輩「せんぱい、ボブの缶詰め持ってますか?」
俺「缶詰め? 腹でも減ってるのか?」
後輩「ち、違いますよっ! ポケモンの食材ですぅ!」
俺「食材? ああ、そういえばそんなシステムあったな」
後輩「!? せんぱい、まさかカレー作り未プレイ勢ですか……?」
俺「ああ。 なんかよくわからないし、特にやる理由もないしな」
後輩「正気ですか!?」
俺「えぇ……?」
俺「缶詰め? 腹でも減ってるのか?」
後輩「ち、違いますよっ! ポケモンの食材ですぅ!」
俺「食材? ああ、そういえばそんなシステムあったな」
後輩「!? せんぱい、まさかカレー作り未プレイ勢ですか……?」
俺「ああ。 なんかよくわからないし、特にやる理由もないしな」
後輩「正気ですか!?」
俺「えぇ……?」
112:◆uFYnhQ7aPs投稿日:2020/01/08 16:46:41 ID:idididid
後輩「サイテーです。あれほどポケモンが好きだと言っていた先輩が自分のポケモンさん達にご飯をあげてないなんて……実家に帰らせていただきます」
俺「やめろ、育児放棄する夫みたいに言うな。それにいつもお前は実家に帰ってるだろ」
後輩「かわいそう……先輩のポケモンさん達は今まで何も与えられてこなかったのね……」シクシク
俺「経験値アメとかきのみとかはあげてるよ」
後輩「先輩はアメと果物だけで生きていけるんですか!!」
俺「カレーだけでも生きていけないわ」
俺「やめろ、育児放棄する夫みたいに言うな。それにいつもお前は実家に帰ってるだろ」
後輩「かわいそう……先輩のポケモンさん達は今まで何も与えられてこなかったのね……」シクシク
俺「経験値アメとかきのみとかはあげてるよ」
後輩「先輩はアメと果物だけで生きていけるんですか!!」
俺「カレーだけでも生きていけないわ」
113:◆uFYnhQ7aPs投稿日:2020/01/08 16:47:41 ID:idididid
後輩「……その感じだと、ボブの缶詰めは持ってなさそうですね」
俺「そうだな、俺が持ってるのはオンラインのすれ違いでもらえる食材くらいだな。どこで手に入るんだ?」
後輩「ナックル丘陵かうららか草原にいる食材屋さんからソード限定で購入できます。わたしはシールドなので、先輩と交換しようと思って」
俺「……ん?売ってないぞ?もしかして日替わりランダムか」
後輩「はい、そうです。 せっかくですし、先輩もカレー作りしましょうよ。タマゴを孵化させるだけがポケモンの遊び方じゃないんですよ?」
俺「まあたしかに、ここ最近はカジッチュの国際孵化しかしてなかったしな……ご教示願おうか」
後輩「はい!かしこまりました♪」
俺「そうだな、俺が持ってるのはオンラインのすれ違いでもらえる食材くらいだな。どこで手に入るんだ?」
後輩「ナックル丘陵かうららか草原にいる食材屋さんからソード限定で購入できます。わたしはシールドなので、先輩と交換しようと思って」
俺「……ん?売ってないぞ?もしかして日替わりランダムか」
後輩「はい、そうです。 せっかくですし、先輩もカレー作りしましょうよ。タマゴを孵化させるだけがポケモンの遊び方じゃないんですよ?」
俺「まあたしかに、ここ最近はカジッチュの国際孵化しかしてなかったしな……ご教示願おうか」
後輩「はい!かしこまりました♪」
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115:◆uFYnhQ7aPs投稿日:2020/01/08 16:50:09 ID:idididid
後輩「まずは先輩の腕前を拝見しますね」
俺「え、まじ?俺本当に数回ぐらいしかやったことないぞ」
後輩「見ててあげますから、さあ」
俺「……えーと。 まずは食材選びか。ポケジョブでもらったあらびきヴルストでいいか」
俺「きのみは……これでいいや。余ってるオボンのみ10個入れとこ」ボチャン
俺「次に、火を仰ぐ。こういう連打ゲーは得意だぞ」ガガガガガッ
後輩「……」
俺「そして鍋をかき混ぜる。見よ、俺の高速スティック回転!」ビチャビチャ
後輩「……」
俺「次にまごころ……あ、やべ、適当に押しちゃった。まあいいか」
後輩「……」
完成!ヴルストのせカレー!
俺「お、ソーナンス級だって。初心者にしては結構上出来なんじゃないか? カジッチュも美味しそうに食べてるぞ」
後輩「……」
俺「え、まじ?俺本当に数回ぐらいしかやったことないぞ」
後輩「見ててあげますから、さあ」
俺「……えーと。 まずは食材選びか。ポケジョブでもらったあらびきヴルストでいいか」
俺「きのみは……これでいいや。余ってるオボンのみ10個入れとこ」ボチャン
俺「次に、火を仰ぐ。こういう連打ゲーは得意だぞ」ガガガガガッ
後輩「……」
俺「そして鍋をかき混ぜる。見よ、俺の高速スティック回転!」ビチャビチャ
後輩「……」
俺「次にまごころ……あ、やべ、適当に押しちゃった。まあいいか」
後輩「……」
完成!ヴルストのせカレー!
俺「お、ソーナンス級だって。初心者にしては結構上出来なんじゃないか? カジッチュも美味しそうに食べてるぞ」
後輩「……」
116:◆uFYnhQ7aPs投稿日:2020/01/08 16:51:21 ID:idididid
後輩「……ぜんっぜん!ダメですっ!!せんぱいはアホですか!!?」
俺「あ、アホ……?」
後輩「料理は細かい手間暇が重要なんですよ!先輩のそれは原始人そのものです!いや原始人でも、もっと上手にマンモス焼きます!」
俺「カレーひとつでそこまで言う?」
後輩「いいですか、よく見ててください。わたしが本物のカレー作りをお見せしますよ」
俺「最初からそうしろよ」
俺「あ、アホ……?」
後輩「料理は細かい手間暇が重要なんですよ!先輩のそれは原始人そのものです!いや原始人でも、もっと上手にマンモス焼きます!」
俺「カレーひとつでそこまで言う?」
後輩「いいですか、よく見ててください。わたしが本物のカレー作りをお見せしますよ」
俺「最初からそうしろよ」
117:◆uFYnhQ7aPs投稿日:2020/01/08 16:52:37 ID:idididid
後輩「まず、きのみですが、初心者は10個も必要ありません。1個でもカレーは作れます」
俺「そうなのか」
後輩「はい。そして入れたきのみの味によってカレーの味が変わります」
後輩「たとえばオレンのみを入れると「普通」、クラボのみを入れると「辛口」、モモンのみを入れると「甘口」、チーゴのみを入れると「苦口」、カゴのみを入れると「渋口」、ナナシのみを入れると「苦口」の計6種類があります」
後輩「つまりですね、一つの食材につき6種類のカレーが存在するのです。カレー図鑑を埋めたかったら、最低でも食材は6個ずつ集める必要があるのです」
俺(後輩がこんなに語るのを見るのは初めてだな……もしかして俺が後輩にポケモンの話をするときもこんな感じなのかな)
後輩「聞いてます?」
俺「は、はい」
俺「そうなのか」
後輩「はい。そして入れたきのみの味によってカレーの味が変わります」
後輩「たとえばオレンのみを入れると「普通」、クラボのみを入れると「辛口」、モモンのみを入れると「甘口」、チーゴのみを入れると「苦口」、カゴのみを入れると「渋口」、ナナシのみを入れると「苦口」の計6種類があります」
後輩「つまりですね、一つの食材につき6種類のカレーが存在するのです。カレー図鑑を埋めたかったら、最低でも食材は6個ずつ集める必要があるのです」
俺(後輩がこんなに語るのを見るのは初めてだな……もしかして俺が後輩にポケモンの話をするときもこんな感じなのかな)
後輩「聞いてます?」
俺「は、はい」
118:◆uFYnhQ7aPs投稿日:2020/01/08 16:54:12 ID:idididid
俺「でも、複数きのみを入れた場合はどうなるんだ?たとえば、「甘い」きのみと「辛い」きのみを入れた時とか」
後輩「同数の場合は「普通」のカレーになります。それが、甘いきのみ2個、辛いきのみ1個の場合は「甘口」になります」
俺「なるほどな」
後輩「もっと正確に言えば、きのみの種類によって味の数値が違うので、同数いれても「普通」にならない場合もあります。複数入れるときは攻略サイトで味の数値を確認しながら入れたほうがいいですよ」
俺「なんか大変だな……」
後輩「はい。ですので、初心者は1個で十分です。図鑑を埋めるだけなら複数入れる必要はありません」
*たとえば『チーゴのみ』と『マゴのみ』を一つずつ入れた場合、
チーゴのみ→苦味10ポイント
マゴのみ→甘味15ポイント
なので【甘口】のカレーになる。
後輩「同数の場合は「普通」のカレーになります。それが、甘いきのみ2個、辛いきのみ1個の場合は「甘口」になります」
俺「なるほどな」
後輩「もっと正確に言えば、きのみの種類によって味の数値が違うので、同数いれても「普通」にならない場合もあります。複数入れるときは攻略サイトで味の数値を確認しながら入れたほうがいいですよ」
俺「なんか大変だな……」
後輩「はい。ですので、初心者は1個で十分です。図鑑を埋めるだけなら複数入れる必要はありません」
*たとえば『チーゴのみ』と『マゴのみ』を一つずつ入れた場合、
チーゴのみ→苦味10ポイント
マゴのみ→甘味15ポイント
なので【甘口】のカレーになる。
119:◆uFYnhQ7aPs投稿日:2020/01/08 16:55:56 ID:idididid
後輩「そして次に火の仰ぎ方です。先輩は先程、気が狂ったかのようにボタンを連打していましたが、そこまでボタンを押す必要はありません」
俺「え?そうなの?」
後輩「白い湯気が立ち、キラキラが多くなってきたぐらいで止めるのがベストです。黒い湯気が出るまでやると火力が強すぎて味が落ちます」
俺「なるほど、ただの連打ゲーじゃないのか」
後輩「お鍋をかき混ぜるのも同様です。早くかき混ぜれば良いということではありません。先輩のようにがむしゃらにかき混ぜると、カレーが周囲に飛び散り味が落ちます」
俺「え?さっき飛び散ってたの?」
後輩「めっちゃ飛び散ってましたよ!!」
俺「え?そうなの?」
後輩「白い湯気が立ち、キラキラが多くなってきたぐらいで止めるのがベストです。黒い湯気が出るまでやると火力が強すぎて味が落ちます」
俺「なるほど、ただの連打ゲーじゃないのか」
後輩「お鍋をかき混ぜるのも同様です。早くかき混ぜれば良いということではありません。先輩のようにがむしゃらにかき混ぜると、カレーが周囲に飛び散り味が落ちます」
俺「え?さっき飛び散ってたの?」
後輩「めっちゃ飛び散ってましたよ!!」
120:◆uFYnhQ7aPs投稿日:2020/01/08 16:57:48 ID:idididid
後輩「最後にまごころを入れます。円が内側の黄緑の部分に重なるようにタイミングよくボタンを押します。 これでおわりです」
完成!辛口あぶりテールカレー!
俺「え、めちゃ旨そうだなこれ」
後輩「『しっぽのくんせい』というレア食材を使ったカレーです。……ダイオウドウ級か。まだまだですね」
俺「なんの尻尾なんだろうな」
後輩「……やめてくださいよ」
*おいしさの階級
ドガース<ソーナンス<マホミル<ダイオウドウ<リザードン
現状、ソロでリザードン級を出すのは困難と言われている。NPCのキャンプを使えば出すことは可能だが、後輩の目標は、完全ソロでリザードン級を作れるようになることである。
完成!辛口あぶりテールカレー!

俺「え、めちゃ旨そうだなこれ」
後輩「『しっぽのくんせい』というレア食材を使ったカレーです。……ダイオウドウ級か。まだまだですね」
俺「なんの尻尾なんだろうな」
後輩「……やめてくださいよ」
*おいしさの階級
ドガース<ソーナンス<マホミル<ダイオウドウ<リザードン
現状、ソロでリザードン級を出すのは困難と言われている。NPCのキャンプを使えば出すことは可能だが、後輩の目標は、完全ソロでリザードン級を作れるようになることである。
121:◆uFYnhQ7aPs投稿日:2020/01/08 17:00:06 ID:idididid
後輩「カレー図鑑は全部で151種あって、キャンプキングに図鑑状況を見せると、ポケモンと遊べる玩具などがもらえます」
俺「ん? さっき、ひとつの食材につき6種類のカレーが存在するって言ったよな?151は6で割れないぞ?」
後輩「残りの一つは、「キョダイマックスカレー」ですね。このカレーは「普通」以外の味が存在しません」
後輩「このカレーに使う「キョダイパウダー」は、レイドバトルをしてると稀に手に入る貴重な食材なので、レイドをあまりやらない人からは重宝されています」
俺「へー、なんか俺10個くらい持ってたわ」
後輩「では、さっきわたしが教えたやり方でキョダイマックスカレーを作ってみましょう!」
俺「お、おう」
俺「ん? さっき、ひとつの食材につき6種類のカレーが存在するって言ったよな?151は6で割れないぞ?」
後輩「残りの一つは、「キョダイマックスカレー」ですね。このカレーは「普通」以外の味が存在しません」
後輩「このカレーに使う「キョダイパウダー」は、レイドバトルをしてると稀に手に入る貴重な食材なので、レイドをあまりやらない人からは重宝されています」
俺「へー、なんか俺10個くらい持ってたわ」
後輩「では、さっきわたしが教えたやり方でキョダイマックスカレーを作ってみましょう!」
俺「お、おう」
122:◆uFYnhQ7aPs投稿日:2020/01/08 17:02:24 ID:idididid
俺「……んー、手順はわかってるんだが、なかなか教えてもらった通りにはいかないな」
後輩「それがカレーづくりの面白さなんですよ!細かな操作が美味しさに直結するんです!」
俺「たしかにこれは練習したくなる……あ、できた」
完成!キョダイマックスカレー!
俺「うわ、なんだこれ?米の量おおすぎないか?」
後輩「この雲みたいなの食べられるんですかね」
後輩「それがカレーづくりの面白さなんですよ!細かな操作が美味しさに直結するんです!」
俺「たしかにこれは練習したくなる……あ、できた」
完成!キョダイマックスカレー!

俺「うわ、なんだこれ?米の量おおすぎないか?」
後輩「この雲みたいなの食べられるんですかね」
123:◆uFYnhQ7aPs投稿日:2020/01/08 17:04:34 ID:idididid
10分後。
俺「……うーん。何回やっても後輩みたいにできないな。どうやったらできるんだ……?」カチャカチャ
後輩「……せんぱい、特訓しましょう」
俺「は?」
後輩「今日このあと空いてますか?」
俺「え、まあ、空いてるけど」
後輩「でしたら……わたしが『本当のカレーの作り方』を教えてあげます!ついて来てください!!」
俺「お、おい!どこに……あああああ!!!」
俺「……うーん。何回やっても後輩みたいにできないな。どうやったらできるんだ……?」カチャカチャ
後輩「……せんぱい、特訓しましょう」
俺「は?」
後輩「今日このあと空いてますか?」
俺「え、まあ、空いてるけど」
後輩「でしたら……わたしが『本当のカレーの作り方』を教えてあげます!ついて来てください!!」
俺「お、おい!どこに……あああああ!!!」
124:◆uFYnhQ7aPs投稿日:2020/01/08 17:08:32 ID:idididid
125:◆uFYnhQ7aPs投稿日:2020/01/08 18:16:04 ID:idididid
スーパー。
俺「え、まじでカレー作るの?てか料理できるの?」
後輩「まじに決まってるじゃないですか。ふふん、こう見えてわたし、料理得意なんですよ♪」
俺「ホントかよ……」
後輩「……なんですかその目は。年下の女子高生をいやらしい目で見るのは犯罪ですよ?」
俺「そういうことじゃねえよ!」
後輩「はいはい。早くしないと晩ご飯遅くなっちゃいますよーだ」タタタ
俺「お、おい!置いてくなって!」
俺「え、まじでカレー作るの?てか料理できるの?」
後輩「まじに決まってるじゃないですか。ふふん、こう見えてわたし、料理得意なんですよ♪」
俺「ホントかよ……」
後輩「……なんですかその目は。年下の女子高生をいやらしい目で見るのは犯罪ですよ?」
俺「そういうことじゃねえよ!」
後輩「はいはい。早くしないと晩ご飯遅くなっちゃいますよーだ」タタタ
俺「お、おい!置いてくなって!」
126:◆uFYnhQ7aPs投稿日:2020/01/08 18:16:49 ID:idididid
後輩「えーと、にんじん、タマネギ、じゃがいも……あ、せんぱいお肉は何がいいですか?」
俺「んー、鳥かな」
後輩「鶏肉ですね。なら、うちにありますよ」
俺「……うお、ポケモンカレーだ!これでいいじゃん!」
後輩「だめです。先輩に料理を教えるのが目的なんですよ?」
俺「ちぇっ」
後輩「……ふふん♪」
後輩(なんか新婚夫婦みたいで楽しい♪)
俺「んー、鳥かな」
後輩「鶏肉ですね。なら、うちにありますよ」
俺「……うお、ポケモンカレーだ!これでいいじゃん!」
後輩「だめです。先輩に料理を教えるのが目的なんですよ?」
俺「ちぇっ」
後輩「……ふふん♪」
後輩(なんか新婚夫婦みたいで楽しい♪)
127:◆uFYnhQ7aPs投稿日:2020/01/08 18:17:21 ID:idididid
後輩宅。
俺「なあ。本当に上がって大丈夫か?」
後輩「平気ですよ。母は遅くまで仕事ですし、父は……もういませんから」
俺「……すまん」
後輩「いえ、お気になさらず♪」
後輩「さ! カレー作りますよ!」
俺「おー」
俺「なあ。本当に上がって大丈夫か?」
後輩「平気ですよ。母は遅くまで仕事ですし、父は……もういませんから」
俺「……すまん」
後輩「いえ、お気になさらず♪」
後輩「さ! カレー作りますよ!」
俺「おー」
128:◆uFYnhQ7aPs投稿日:2020/01/08 18:18:08 ID:idididid
*
うっす、弟っス。
今日も学校が終わったあと、予備校で講義を受けてもうお腹ぺこぺこっス。
ねーちゃん、今日は何を作ってくれたかなー。
風呂入るよりまず飯を食おう。
そのあとランク戦して、アニキに反省点を相談して、寝る。完璧なスケジュールっス。今日はこれでいこう。
そんなことを考えながら、自分はリビングの扉を開けた。
ねーちゃんただいまー!
……。
うっす、弟っス。
今日も学校が終わったあと、予備校で講義を受けてもうお腹ぺこぺこっス。
ねーちゃん、今日は何を作ってくれたかなー。
風呂入るよりまず飯を食おう。
そのあとランク戦して、アニキに反省点を相談して、寝る。完璧なスケジュールっス。今日はこれでいこう。
そんなことを考えながら、自分はリビングの扉を開けた。
ねーちゃんただいまー!
……。
129:◆uFYnhQ7aPs投稿日:2020/01/08 18:19:08 ID:idididid
後輩「せんぱい、いつまでジャガイモの皮剥いてるんですか。もう。タマネギ焦げちゃいますよ?」
俺「わかってる、わかってる。でもな?ジャガイモの芽には毒があるんだ。徹底的に排除しないと……いてっ!」
後輩「きゃっ! 指切っちゃってるじゃないですか!!」
俺「だいじょうぶだ、慌てるな」
後輩「だいじょうぶじゃないですっ!」ガシ
俺「え?」
後輩「」チュー
弟「……」
弟(そこには、男の指を加える実の姉の姿があった……)
俺「わかってる、わかってる。でもな?ジャガイモの芽には毒があるんだ。徹底的に排除しないと……いてっ!」
後輩「きゃっ! 指切っちゃってるじゃないですか!!」
俺「だいじょうぶだ、慌てるな」
後輩「だいじょうぶじゃないですっ!」ガシ
俺「え?」
後輩「」チュー
弟「……」
弟(そこには、男の指を加える実の姉の姿があった……)
130:◆uFYnhQ7aPs投稿日:2020/01/08 18:19:56 ID:idididid
1時間後。
弟「で、自分のミトムに、何故かそいつ電磁波してきてwww」
俺「交換読み外したのかな?w まあでもその対面だったら突っ張ってくる可能性も十分あるしなぁ」
後輩「こら! 2人とも食事中はゲームをしまいなさい!」
俺「「 はい! 」」
後輩「ふふっ♪」
弟「で、自分のミトムに、何故かそいつ電磁波してきてwww」
俺「交換読み外したのかな?w まあでもその対面だったら突っ張ってくる可能性も十分あるしなぁ」
後輩「こら! 2人とも食事中はゲームをしまいなさい!」
俺「「 はい! 」」
後輩「ふふっ♪」
131:◆uFYnhQ7aPs投稿日:2020/01/08 18:21:09 ID:idididid
俺「いつも後輩が夜飯作ってるのか?」
後輩「はい。母は仕事でいつも遅くなるので」
弟「あーあ。アニキがまじのアニキだったらなー……
ねーちゃん早くアニキと結婚しろよ」
後輩「は、はあ!!?」カァア
俺「ははっ、それは無理だぞ? 民法改正で結婚できる年齢は男女とも18歳からになるからな」
後輩「そういうことじゃなくてっ!!!!」
後輩「はい。母は仕事でいつも遅くなるので」
弟「あーあ。アニキがまじのアニキだったらなー……
ねーちゃん早くアニキと結婚しろよ」
後輩「は、はあ!!?」カァア
俺「ははっ、それは無理だぞ? 民法改正で結婚できる年齢は男女とも18歳からになるからな」
後輩「そういうことじゃなくてっ!!!!」
132:◆uFYnhQ7aPs投稿日:2020/01/08 18:22:13 ID:idididid
後輩「ただいまー、帰ったわよー」ガチャ
後輩「あ」
弟「あ」
俺「あ」
後輩「ん?」
後輩「あ」
弟「あ」
俺「あ」
後輩「ん?」
133:◆uFYnhQ7aPs投稿日:2020/01/08 18:23:59 ID:idididid
後輩「あらあら。弟のお友達かしら?」
俺「勝手上り込んでしまい申し訳ありません。私は、後輩の高校の先輩で、弟くんのゲーム友達の俺と申します」
後輩「まあ……!あなたが俺くんなの!?」ガタッ
俺「え」
後輩「ちょ、ちょっとお母さん!」
後輩「あらあらあら……こんなに礼儀正しくて賢そうな子が……うちの子を、どうかよろしくね?」
俺「え? え?」
後輩「お母さん!!!!」
弟「ねーちゃんがアニキのことよく話してたから」
俺「あーなるほど」
この後、後輩のお母さんも一緒になってカレーを食べ、遅くなりすぎないうちに自宅へ帰った俺であった。
俺「勝手上り込んでしまい申し訳ありません。私は、後輩の高校の先輩で、弟くんのゲーム友達の俺と申します」
後輩「まあ……!あなたが俺くんなの!?」ガタッ
俺「え」
後輩「ちょ、ちょっとお母さん!」
後輩「あらあらあら……こんなに礼儀正しくて賢そうな子が……うちの子を、どうかよろしくね?」
俺「え? え?」
後輩「お母さん!!!!」
弟「ねーちゃんがアニキのことよく話してたから」
俺「あーなるほど」
この後、後輩のお母さんも一緒になってカレーを食べ、遅くなりすぎないうちに自宅へ帰った俺であった。
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134:◆uFYnhQ7aPs投稿日:2020/01/08 18:24:42 ID:idididid
*余談
後輩「俺くんはうちの息子同然だからね!いつでもまたいらっしゃい!」
俺「は、はい。またお邪魔させていただきます」
後輩「お母さんっ!!!!」
後輩「俺くんはうちの息子同然だからね!いつでもまたいらっしゃい!」
俺「は、はい。またお邪魔させていただきます」
後輩「お母さんっ!!!!」
139:◆uFYnhQ7aPs投稿日:2020/01/08 20:04:14 ID:idididid
【先】
俺の手には今、気になる女の子のぬいぐるみが握られている。事情を知らない人から見ると、今の俺はストーカーにかなり近いところにいることだろう。
だが、勘違いしないで欲しい。
これは盗んだのではない、盗まれたのを取り返したのだ。ちゃんと持ち主に返すつもりである。
しかし、だ。問題がひとつある。
俺はあの子のクラスの教室どころか、あの子の名前すら知らない。唯一の手掛かりは、同じ電車で通学しているということだけである。
厄介なことだが、手がないわけではない。
空いた時間に一年生の教室を回って、ひたすらあの子を探そう。そして、このぬいぐるみを渡そう。どれだけ時間が掛かったとしても、必ず。
別にそこから仲良くなるなろうなんて考えちゃいない。だから、何もやましいことなんてないし、望んでもいない。
明日が勝負だ。
俺の手には今、気になる女の子のぬいぐるみが握られている。事情を知らない人から見ると、今の俺はストーカーにかなり近いところにいることだろう。
だが、勘違いしないで欲しい。
これは盗んだのではない、盗まれたのを取り返したのだ。ちゃんと持ち主に返すつもりである。
しかし、だ。問題がひとつある。
俺はあの子のクラスの教室どころか、あの子の名前すら知らない。唯一の手掛かりは、同じ電車で通学しているということだけである。
厄介なことだが、手がないわけではない。
空いた時間に一年生の教室を回って、ひたすらあの子を探そう。そして、このぬいぐるみを渡そう。どれだけ時間が掛かったとしても、必ず。
別にそこから仲良くなるなろうなんて考えちゃいない。だから、何もやましいことなんてないし、望んでもいない。
明日が勝負だ。
140:◆uFYnhQ7aPs投稿日:2020/01/08 20:05:56 ID:idididid
【後】
あの出来事の次の日。
わたしはあの人に会いたくなった。
会って直接お礼がしたい、お話がしたい。
あの人のことで、朝から頭がいっぱいだった。
だけど、わたしはあの人のクラスの教室どころか、名前すら知らない。唯一の手掛かりは、あの人の容姿だけ。
難しいことだけど、手がないわけではない。
私はいつもより早起きして、急いで電車に乗った。
登校時間中に上級生の教室を回って、ひたすらあの人を探そう。そして、昨日のお礼を言おう。どれだけ時間が掛かったとしても、必ず。
今日が勝負だ。
あの出来事の次の日。
わたしはあの人に会いたくなった。
会って直接お礼がしたい、お話がしたい。
あの人のことで、朝から頭がいっぱいだった。
だけど、わたしはあの人のクラスの教室どころか、名前すら知らない。唯一の手掛かりは、あの人の容姿だけ。
難しいことだけど、手がないわけではない。
私はいつもより早起きして、急いで電車に乗った。
登校時間中に上級生の教室を回って、ひたすらあの人を探そう。そして、昨日のお礼を言おう。どれだけ時間が掛かったとしても、必ず。
今日が勝負だ。
141:◆uFYnhQ7aPs投稿日:2020/01/08 20:06:37 ID:idididid
【先】
俺はいつもの時間に電車に乗った。
この時間に、あの子と電車が重なることが一番多かったからだ。
特にこの車両。
何故かあの子はいつもこの車両に乗る。
だから、俺もいつもこの車両に乗っていた。
……これくらいは許せ。
だが、そんな都合よく世の中出来ていないようで、あの子はいなかった。
俺はいつもの時間に電車に乗った。
この時間に、あの子と電車が重なることが一番多かったからだ。
特にこの車両。
何故かあの子はいつもこの車両に乗る。
だから、俺もいつもこの車両に乗っていた。
……これくらいは許せ。
だが、そんな都合よく世の中出来ていないようで、あの子はいなかった。
142:◆uFYnhQ7aPs投稿日:2020/01/08 20:07:27 ID:idididid
【後】
まずい、はやく来すぎたためか、登校してくる生徒が全然いない。
しまった、気合入れすぎちゃった……と思っていたら、担任の先生と遭遇。 雑用を押し付けられてしまった。
こんな事してる場合じゃないのに……!
【先】
一応、授業が始まるギリギリの時間まで、一年生の教室を見て回ってみた。
しかし、あの子の姿を見つけることはできなかった。
遅刻、もしくは今日は休みの可能性が高い。
昼休みもう一度見て回るか。
まずい、はやく来すぎたためか、登校してくる生徒が全然いない。
しまった、気合入れすぎちゃった……と思っていたら、担任の先生と遭遇。 雑用を押し付けられてしまった。
こんな事してる場合じゃないのに……!
【先】
一応、授業が始まるギリギリの時間まで、一年生の教室を見て回ってみた。
しかし、あの子の姿を見つけることはできなかった。
遅刻、もしくは今日は休みの可能性が高い。
昼休みもう一度見て回るか。
143:◆uFYnhQ7aPs投稿日:2020/01/08 20:08:37 ID:idididid
【後】
昼休み、わたしはご飯も食べずに、廊下を駆け出した。
この時間はみんなどこかに留まってお昼を食べる。
つまり、中庭→屋上→教室の順に見て回ることで、いずれあの人に会えるはず……!
【先】
昼休み、俺は飯も食わずに、廊下を駆け出した。
俺『秘策』を思いついた。
この時間は誰しもが、まず購買へと走る。
弁当を持参する者も、購買でジュースやデザートを買ったりするからだ。
つまり、購買で待ち伏せしていれば、いずれあの子に会えるはず……!
昼休み、わたしはご飯も食べずに、廊下を駆け出した。
この時間はみんなどこかに留まってお昼を食べる。
つまり、中庭→屋上→教室の順に見て回ることで、いずれあの人に会えるはず……!
【先】
昼休み、俺は飯も食わずに、廊下を駆け出した。
俺『秘策』を思いついた。
この時間は誰しもが、まず購買へと走る。
弁当を持参する者も、購買でジュースやデザートを買ったりするからだ。
つまり、購買で待ち伏せしていれば、いずれあの子に会えるはず……!
144:◆uFYnhQ7aPs投稿日:2020/01/08 20:10:01 ID:idididid
【後】
結局、昼休みはあの人に会えなかった。
あの後、お昼ご飯を食べる暇もなく、わたしは空腹の状態で午後の授業を乗り切った。
もうダメだ……。
お腹が空きすぎて、心が折れていた。
今日は素直に諦めて、まっすぐ家に帰ろう……。
『間もなく電車が参ります。白線の内側までお下がりください』
やばっ、電車が来た。
これを逃すと次は15分後……そんなに待ってられない!
結局、昼休みはあの人に会えなかった。
あの後、お昼ご飯を食べる暇もなく、わたしは空腹の状態で午後の授業を乗り切った。
もうダメだ……。
お腹が空きすぎて、心が折れていた。
今日は素直に諦めて、まっすぐ家に帰ろう……。
『間もなく電車が参ります。白線の内側までお下がりください』
やばっ、電車が来た。
これを逃すと次は15分後……そんなに待ってられない!
145:◆uFYnhQ7aPs投稿日:2020/01/08 20:12:33 ID:idididid
「はあ……はあ……!」
なんとか間に合った……!
なんか今日は踏んだり蹴ったりだなぁ……。
『駆け込み乗車は、危険ですのでお辞め下さい』
……ごめんなさい。
なんか、走ったから疲れたな。
どこか、空いてる席はないかな……。
辺りを見回した、その時だった。
「あ」
目の前に『あの人』がいた!信じられない……!
あれだけ探して見つからなかったのに、今目の前にいる……!
しばらく、ぽかんっとした顔で、『その人』を見つめてしまっていた。
なんとか間に合った……!
なんか今日は踏んだり蹴ったりだなぁ……。
『駆け込み乗車は、危険ですのでお辞め下さい』
……ごめんなさい。
なんか、走ったから疲れたな。
どこか、空いてる席はないかな……。
辺りを見回した、その時だった。
「あ」
目の前に『あの人』がいた!信じられない……!
あれだけ探して見つからなかったのに、今目の前にいる……!
しばらく、ぽかんっとした顔で、『その人』を見つめてしまっていた。
146:◆uFYnhQ7aPs投稿日:2020/01/08 20:13:27 ID:idididid
すると、『その人』は、こちらを向くと、一瞬飛び跳ねるような動作をしたと思ったら、落ち着いた表情に戻り、こちらに近づいてきた。
え、まって、まだ心の準備が……!
「あの、すみません。 昨日の朝、この電車の中で、このぬいぐるみを『拾った』んだけど、君のじゃないかな?」
「……え?」
え、まって、まだ心の準備が……!
「あの、すみません。 昨日の朝、この電車の中で、このぬいぐるみを『拾った』んだけど、君のじゃないかな?」
「……え?」
147:◆uFYnhQ7aPs投稿日:2020/01/08 20:14:22 ID:idididid
その人の手に、わたしのゲンガーが握られていた。
どうやら、この人は、このぬいぐるみを『拾った』ことにしたいらしい。
たしかに「きみの友人が燃やそうとしてたところを奪い返したんだ」とは言えないもんね。
でも、わたしは知ってる。
あなたが、このぬいぐるみを、わたしの大事なものを、守ってくれたのをちゃんと知ってる。
だからわたしは、
「……ありがとうございます、先輩っ♪」うるっ
「!?」
どうやら、この人は、このぬいぐるみを『拾った』ことにしたいらしい。
たしかに「きみの友人が燃やそうとしてたところを奪い返したんだ」とは言えないもんね。
でも、わたしは知ってる。
あなたが、このぬいぐるみを、わたしの大事なものを、守ってくれたのをちゃんと知ってる。
だからわたしは、
「……ありがとうございます、先輩っ♪」うるっ
「!?」
148:◆uFYnhQ7aPs投稿日:2020/01/08 20:15:47 ID:idididid
満々の笑みで、感謝を伝えた。
その時、思わず泣いてしまったので、先輩は驚いてしまった。
悲しかったんじゃない。
ゲンガーが無事だったことの喜びと、この人に会えたことの喜び。 その2つが一気に押し寄せたのだ。
俺『……えーと。ごめんね?学校で返そうと思って探してたんだけど、中々見当たらなくて』
俺『……そ、そのゲンガーなんか触り心地いいよな!俺も6世代の時はゲンガーめっちゃ使ってたから愛着あるんだよ!いやでも、浮遊を没収されたときは泣いたな!うん!わかるわかる!』
後輩「……」ぐすっ
後輩(……この人、何言ってんだろう、わからない)
後輩(でも、必死に励まそうとしてくれてるのは分かる……本当に優しい人だ)
後輩(わたし、この人ともっと一緒にいたい……!)
その時、思わず泣いてしまったので、先輩は驚いてしまった。
悲しかったんじゃない。
ゲンガーが無事だったことの喜びと、この人に会えたことの喜び。 その2つが一気に押し寄せたのだ。
俺『……えーと。ごめんね?学校で返そうと思って探してたんだけど、中々見当たらなくて』
俺『……そ、そのゲンガーなんか触り心地いいよな!俺も6世代の時はゲンガーめっちゃ使ってたから愛着あるんだよ!いやでも、浮遊を没収されたときは泣いたな!うん!わかるわかる!』
後輩「……」ぐすっ
後輩(……この人、何言ってんだろう、わからない)
後輩(でも、必死に励まそうとしてくれてるのは分かる……本当に優しい人だ)
後輩(わたし、この人ともっと一緒にいたい……!)
149:◆uFYnhQ7aPs投稿日:2020/01/08 20:18:16 ID:idididid
後輩『せんぱい……』
俺『はい? てか『せんぱい』って俺?』
後輩『せんぱいって、ポケモンが好きなんですか?』
俺『! ああ、めちゃくちゃ好きだよ。ゲンガーも、もちろん大好きだよ』
後輩『……じゃあせんぱい、わたしにポケモンのこといっぱい教えてください!知りたいんです!』
俺『え?まじ? まあ俺はいいけど……』
後輩『えへへ♪』
この時のわたしは、なんでもいいから先輩のことが知りたかったのだ。
元々、可愛いポケモンが昔から好きだったのもあって、先輩とお喋りするのはとても楽しかった。
あと、この頃のわたしは先輩に媚びすぎてて、今思うとちょっと死にたくなる。
これが、わたしと先輩の出会いである。
俺『はい? てか『せんぱい』って俺?』
後輩『せんぱいって、ポケモンが好きなんですか?』
俺『! ああ、めちゃくちゃ好きだよ。ゲンガーも、もちろん大好きだよ』
後輩『……じゃあせんぱい、わたしにポケモンのこといっぱい教えてください!知りたいんです!』
俺『え?まじ? まあ俺はいいけど……』
後輩『えへへ♪』
この時のわたしは、なんでもいいから先輩のことが知りたかったのだ。
元々、可愛いポケモンが昔から好きだったのもあって、先輩とお喋りするのはとても楽しかった。
あと、この頃のわたしは先輩に媚びすぎてて、今思うとちょっと死にたくなる。
これが、わたしと先輩の出会いである。
155:◆uFYnhQ7aPs投稿日:2020/01/08 21:19:25 ID:idididid
【先】
結局、昼休みはあの子に会えなかった。
あの後、昼飯を食べる暇もなく、俺は空腹の状態で午後の授業を乗り切った。
死ぬ……今日はもう無理だ。
帰って飯でも食おう。
電車の中で、次の日の作戦を考えていた、その時だった。
「あ」
あ?
なんだろうと思い顔を上げる。
するとそこには、今日一日かけて探していた人物が目の前にいた。
結局、昼休みはあの子に会えなかった。
あの後、昼飯を食べる暇もなく、俺は空腹の状態で午後の授業を乗り切った。
死ぬ……今日はもう無理だ。
帰って飯でも食おう。
電車の中で、次の日の作戦を考えていた、その時だった。
「あ」
あ?
なんだろうと思い顔を上げる。
するとそこには、今日一日かけて探していた人物が目の前にいた。
156:◆uFYnhQ7aPs投稿日:2020/01/08 21:20:28 ID:idididid
うひゃあ!!と、飛び上がりそうな衝動を抑え、なるべくクールな自分を装う。
いけない、いけない。
俺は向こうのことを知ってるが、相手は自分のことなど知らないのだ。
急にハイテンションで話しかけられても迷惑だろう。よし、気合を入れろ。
カバンから例のぬいぐるみを取り出し、俺は『その子』に話しかけた。
「あの、すみません。昨日の朝、この電車の中で、このぬいぐるみを拾ったんだけど、君のじゃないかな?」
「……え?」
そういうことにした。
真実をありのままに言ったところで困るだろうしな。これでいいのだ。
いけない、いけない。
俺は向こうのことを知ってるが、相手は自分のことなど知らないのだ。
急にハイテンションで話しかけられても迷惑だろう。よし、気合を入れろ。
カバンから例のぬいぐるみを取り出し、俺は『その子』に話しかけた。
「あの、すみません。昨日の朝、この電車の中で、このぬいぐるみを拾ったんだけど、君のじゃないかな?」
「……え?」
そういうことにした。
真実をありのままに言ったところで困るだろうしな。これでいいのだ。
157:◆uFYnhQ7aPs投稿日:2020/01/08 21:21:58 ID:idididid
すると、『その子』は、ぬいぐるみを手に取り、何かを考え始めた。
……え? もしかして違ったとか? そんなことある?
なんだか自分の行動に自信が持てなくなってきた、その時であった。
『その子』が急に、バッと顔を上げてこう言った。
「……ありがとうございます、先輩っ♪」うるっ
「!?」
その大きな瞳は、涙で潤んでいた。
やがてそれは、重さに耐えられず、頬を伝って落ちていった。
え? そんなに?
……え? もしかして違ったとか? そんなことある?
なんだか自分の行動に自信が持てなくなってきた、その時であった。
『その子』が急に、バッと顔を上げてこう言った。
「……ありがとうございます、先輩っ♪」うるっ
「!?」
その大きな瞳は、涙で潤んでいた。
やがてそれは、重さに耐えられず、頬を伝って落ちていった。
え? そんなに?
158:◆uFYnhQ7aPs投稿日:2020/01/08 21:23:47 ID:idididid
この子は、そんなにもゲンガーのぬいぐるみを大事にしていたのか。
見つかったのが嬉しくて泣いちゃうほど、ゲンガーが好きだったのか。
もしかして、俺と同じくらいポケモンが好きなのでは? 同志なのでは?
なんだか、もっとはやく返せなかったことに罪悪感を覚える。
俺『……えーと。ごめんね?学校で返そうと思って探してたんだけど、中々見当たらなくて……』
後輩「……』ぐすんっ
いや、だめだ!今言うべきことはそんな言い訳じゃない!
こういう時は好きなものを共有するのがベストなはず!
俺『……そ、そのゲンガーなんか触り心地いいよな!俺も6世代の時はゲンガーめっちゃ使ってたから愛着あるんだよ!いやでも、浮遊を没収されたときは泣いたな!うん!わかるわかる!』
柄にもないのは分かってる、もっとまともな励まし方とかないのかよとも思う。だが、今は目の前の女の子を泣き止ませることが大事だ。
見つかったのが嬉しくて泣いちゃうほど、ゲンガーが好きだったのか。
もしかして、俺と同じくらいポケモンが好きなのでは? 同志なのでは?
なんだか、もっとはやく返せなかったことに罪悪感を覚える。
俺『……えーと。ごめんね?学校で返そうと思って探してたんだけど、中々見当たらなくて……』
後輩「……』ぐすんっ
いや、だめだ!今言うべきことはそんな言い訳じゃない!
こういう時は好きなものを共有するのがベストなはず!
俺『……そ、そのゲンガーなんか触り心地いいよな!俺も6世代の時はゲンガーめっちゃ使ってたから愛着あるんだよ!いやでも、浮遊を没収されたときは泣いたな!うん!わかるわかる!』
柄にもないのは分かってる、もっとまともな励まし方とかないのかよとも思う。だが、今は目の前の女の子を泣き止ませることが大事だ。
159:◆uFYnhQ7aPs投稿日:2020/01/08 21:25:21 ID:idididid
後輩『せんぱい……』
すると、急にその子は口を開いた。
せんぱい……?誰のことだ?俺か。
後輩『せんぱいって、ポケモンが好きなんですか?』
ああ、めちゃくちゃ好きだよ。
俺からポケモンを奪ったら何も残らない。
それくらいポケモンが好きだ。
後輩『……じゃあせんぱい、わたしにポケモンのこといっぱい教えてください!知りたいんです!』
え? いいの?
普通、オタクの知識自慢とか一般人は嫌うじゃん。
それをこの子は自分に対して望んでいる。
まあ、別に俺が損するわけじゃないし、本心では仲良くなりたいに決まってるけどさ。
後輩『えへへ♪』
……その笑いは何の笑いだよ。
女の子って、やっぱ何考えてるかまじで分からねえ。
すると、急にその子は口を開いた。
せんぱい……?誰のことだ?俺か。
後輩『せんぱいって、ポケモンが好きなんですか?』
ああ、めちゃくちゃ好きだよ。
俺からポケモンを奪ったら何も残らない。
それくらいポケモンが好きだ。
後輩『……じゃあせんぱい、わたしにポケモンのこといっぱい教えてください!知りたいんです!』
え? いいの?
普通、オタクの知識自慢とか一般人は嫌うじゃん。
それをこの子は自分に対して望んでいる。
まあ、別に俺が損するわけじゃないし、本心では仲良くなりたいに決まってるけどさ。
後輩『えへへ♪』
……その笑いは何の笑いだよ。
女の子って、やっぱ何考えてるかまじで分からねえ。
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160:◆uFYnhQ7aPs投稿日:2020/01/08 21:26:22 ID:idididid
これが俺と後輩の出会いである。
この頃の俺は、後輩のことを女の子として意識しすぎで、今思い返すとちょっと死にたくなる。
この頃の俺は、後輩のことを女の子として意識しすぎで、今思い返すとちょっと死にたくなる。
161:◆uFYnhQ7aPs投稿日:2020/01/08 21:31:00 ID:idididid
*余談
2人ともお昼を食べていなかったので、電車を降りてサイゼリアに行った。
俺『で、赤い糸を持たせると両方の親の個体値からランダムで5個遺伝する……って、顔が近いって!!』
後輩『えー、いいじゃないですか♪』
2人ともお昼を食べていなかったので、電車を降りてサイゼリアに行った。
俺『で、赤い糸を持たせると両方の親の個体値からランダムで5個遺伝する……って、顔が近いって!!』
後輩『えー、いいじゃないですか♪』
163:◆uFYnhQ7aPs投稿日:2020/01/08 22:31:56 ID:idididid
後輩「……先輩、色マホミルが生まれました」
俺「え、まじ? ついにやったじゃん、おめでとう……なのに、なんでそんなテンション低いんだ?」
後輩「……スイートベールだったんです」
俺「……おう」
後輩「スイートッ……ベール、だったんですッ……うぅ!」
俺「…………おう」
俺「え、まじ? ついにやったじゃん、おめでとう……なのに、なんでそんなテンション低いんだ?」
後輩「……スイートベールだったんです」
俺「……おう」
後輩「スイートッ……ベール、だったんですッ……うぅ!」
俺「…………おう」
164:◆uFYnhQ7aPs投稿日:2020/01/08 22:36:12 ID:idididid
俺「仕方ねえよ。色夢粘りっていうのはそういうもんだ」
後輩「なんでなんですか!夢特性が遺伝する確率は半分以上のはずですよね!?なんでうちの子は通常特性なんですか!?」
俺「……仕方ないんだ。そういう仕様だから」
後輩「そん……な……」うるうる
俺「通常特性でもいいじゃないか。たった一つの欠点だけを見て愛せなくなるなんて、それは本当の愛と呼べるのか?」
後輩「っ! でもわたしはマホイップを全種類夢特性で集めるって!」
俺「もうやめろ。それ以上自分を責めなくていい。お前はよくやったよ」
俺「それでもまだ自分を許せないというのなら、また1から始めればいいさ。大丈夫。 色夢マホイップに対する『愛』があれば、いつか必ず、お前の元へやってくる」
後輩「せんぱい……!」
俺「あ、ちなみに俺は昨日色夢カジッチュが生まれたぞ。ふぅ、やっとだぜ」
後輩「は?」
後輩「なんでなんですか!夢特性が遺伝する確率は半分以上のはずですよね!?なんでうちの子は通常特性なんですか!?」
俺「……仕方ないんだ。そういう仕様だから」
後輩「そん……な……」うるうる
俺「通常特性でもいいじゃないか。たった一つの欠点だけを見て愛せなくなるなんて、それは本当の愛と呼べるのか?」
後輩「っ! でもわたしはマホイップを全種類夢特性で集めるって!」
俺「もうやめろ。それ以上自分を責めなくていい。お前はよくやったよ」
俺「それでもまだ自分を許せないというのなら、また1から始めればいいさ。大丈夫。 色夢マホイップに対する『愛』があれば、いつか必ず、お前の元へやってくる」
後輩「せんぱい……!」
俺「あ、ちなみに俺は昨日色夢カジッチュが生まれたぞ。ふぅ、やっとだぜ」

後輩「は?」
165:◆uFYnhQ7aPs投稿日:2020/01/08 22:37:03 ID:idididid
後輩「……せんぱい、絶好です」
俺「なんでだよ。それとこれとは話は別だろ?」
後輩「せんぱいなんてもう知りません」ぷいっ
俺「……」
俺「なんでだよ。それとこれとは話は別だろ?」
後輩「せんぱいなんてもう知りません」ぷいっ
俺「……」
166:◆uFYnhQ7aPs投稿日:2020/01/08 22:38:00 ID:idididid
俺「……あーあ、せっかく後輩のために頑張ったのになー。このカジッチュどうしよっかなー」
後輩「……へ!? どういうことですか!?」
俺「いらないんなら仕方ない……マジカル交換にでも出すか」
後輩「ストーップっ!ストップです!はやまっては駄目です!」
後輩「……へ!? どういうことですか!?」
俺「いらないんなら仕方ない……マジカル交換にでも出すか」
後輩「ストーップっ!ストップです!はやまっては駄目です!」
167:◆uFYnhQ7aPs投稿日:2020/01/08 22:39:25 ID:idididid
後輩「わたしのため……?でも先輩は色タルップルが欲しかったんじゃ……?」
俺「それはもう確保してあるよ。ほら、じゅくせい(通常特性)で使いたかったんだ」
俺「この色夢カジッチュは後輩にあげようと思ってそれから2000体も孵化してたんだぞ?」
後輩「そ、そんな……初耳ですよ!」
俺「言ってなかったからな」
後輩「2000体も……どうしてそこまで?」
俺「そこに『愛』があったからだろ」
後輩「……カジッチュに対する?」
俺「違うよ」
後輩「はぅ!?」
俺「それはもう確保してあるよ。ほら、じゅくせい(通常特性)で使いたかったんだ」
俺「この色夢カジッチュは後輩にあげようと思ってそれから2000体も孵化してたんだぞ?」
後輩「そ、そんな……初耳ですよ!」
俺「言ってなかったからな」
後輩「2000体も……どうしてそこまで?」
俺「そこに『愛』があったからだろ」
後輩「……カジッチュに対する?」
俺「違うよ」
後輩「はぅ!?」
168:◆uFYnhQ7aPs投稿日:2020/01/08 22:40:09 ID:idididid
俺「なあ、後輩」
俺「ナックルシティの西にいる男性に、カジッチュを見せると発生するイベントのこと、知ってるか?」
END
俺「ナックルシティの西にいる男性に、カジッチュを見せると発生するイベントのこと、知ってるか?」
END
ここ、、告白ががが、成功するぅぅ?
— 【公式】ポケモン情報局 (@poke_times) 2020年2月14日
みなさんカカッカ をください
171:◆uFYnhQ7aPs投稿日:2020/01/08 22:48:10 ID:idididid
一旦ここで完結とします。
当初はこんなに支援してくださる方がいると思っていなかったので、めちゃくちゃ感謝しています。続きに関しては、俺と後輩次第です。
ここまでご覧頂き、誠にありがとうございました。
当初はこんなに支援してくださる方がいると思っていなかったので、めちゃくちゃ感謝しています。続きに関しては、俺と後輩次第です。
ここまでご覧頂き、誠にありがとうございました。
177:マリル@ぼうごパッド投稿日:2020/01/09 00:07:34 ID:UxgE1iSw
乙!
最高だった!!!
最高だった!!!
180:ゴーゴート@がくしゅうそうち投稿日:2020/01/10 22:47:47 ID:16n2dGqU
続編希望
179:ユクシー@ひみつのカギ投稿日:2020/01/10 21:32:24 ID:0uyoCoBY
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注目記事!
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長すぎ
いち
は?
いやーきついっす
最初の「俺」まで読んだ
いろはすと比企谷かと思った
なげーよ!!
感動した(最後まで読んだとは言ってない)
長すぎて最後まで読む気にはなれなかった
久々にぽけりんがss纏めたのはいいが恋愛物だと叩かれる予定しかない
もうけろたんったら…
今北三重御形
なんでいきなりこんなもんまとめたの
助けて
なっが
ダウト、の辺りからゾワッとして読めんかった
長くて途中で読むの断念した
漫画にしてから出直してきてくれ
ポケモンじゃなくても成立するSSをまとめるなよ
すまん・・・
ディスコメ好きじゃないけどこれはないかな・・・
てか何でまとめたの?炎上商法?
なんだこれ…(ドン引き)
ss系は賛否あるしコメ欄封鎖しようぜ
ワイは好きやで
わたしは最初サルノリにしました!」まで読んだよ褒めろ
30分かかったけど面白かった
なげーよハゲ
焼却炉のとこまで読んだから誰か褒めてくれ
最後まで読んでない雑魚共がコメントしてんじゃねぇ
めっちゃいい話だろうがよ
↑そうやって文句言うことでしか生き甲斐を感じられない人達↑
何をまとめようが何しようが管理人の自由だと思うんですけどねぇ
コメント欄までスクロールするの大変だったぜ!
別にssが悪いわけじゃないけどラーメン屋に来てカレー出された気分。今じゃねぇわ
お前らは文学を楽しむこともできないのか…
ポケモンBBSでは大絶賛だったぞ
くっっさ
助けて
ダウトじゃねぇよあほ
読んでもないが何で唐突にこれを記事にしようと思ったのか分からん
※49
BBSでこのSSの人気がすごかったから
身内でしこしこ楽しんでたものを「ほら!!これ面白いでしょ!!!」って大衆に晒して内外共に迷惑かけるタイプのオタクでしょけろたん
マホイップまで読んだけど先が長すぎて断念した
なんか鏡○也っぽいセリフ回し
SS好きにはいいまとめだったんだけどなぁ
元スレ見たけど読者?コメントがキモすぎて自演ないしタチの悪い民の標的にされてる感ある
コイル1位にしようぜの流れ思い出したわ
「長いから読めない」とか言ってる奴らの忍耐力はなろう読者以下
大和撫子のとこで恥ずかしくなってダメだった
こんな頭の悪い文章が絶賛されるんだからそらなろうも流行りますわ
海外のメタモン交換専用部屋ってマジであるやつ?
ぽけりんの記事全部読むって決めてるから読みました
全部読んで意見を書くのはいいと思うけど読んでないのにアンチコメしてる奴は文字が読めないのかな?
※58
あるよ
※49 ネタ切れでしょ
でもこういうの俺はほんっっっっっとうに好き。好きすぎてダイスになっちゃうわね…
もっと才能使って欲しい。続編期待
長いssは毎日少しずつ更新されるから成立するな一気はきついわ
あとヤーコンもまとめろ
続編希望!!!
きんもー
いい話なんだけど、後輩の母親のセリフが後輩「」になってるのが意味わからん
凡ミスか?
後輩がイベント教えるところまでしか読む気になれん。せめて最初に長文注意書け
>>1
この時点できついっす…
いや、普通に面白くて長くても最後まで読んでしまったんだが……
長いしポケモンやってる後輩女子なんていないしお前はおっさんだろ現実見ろ
突然母親の霊が憑依する後輩.BB
これみたいに告白しようとして顔さらしたやつ纏めようぜ
※67
元スレでは後輩母になってるから管理人さんのミスだと思う
後輩のセリフの脳内再生がはつゆきさくらの夜ちゃんでした
想像の10倍長かった
とっても素敵なお話でした。
ぜひ続きをお願いします。
読み始めて最初の方はハハッ妄想乙って構えてたのに
普通に面白くて読み進めてしまった
リンゴうまいこと使いますねぇ、良い出来でした、お疲れさま
やっぱつれぇわ
長いから最後まで読めないんじゃなくて
キモいラノベのようなノリの会話がキツくて読めないんだわ
バレンタイン後にこんな記事を纏めてやるな、見ろよこのコメント欄のラブストーリーに対する糾弾の声をよお!傷口に塩を塗ってやるんじゃないよ可哀想だろうが!
素晴らしかった
思わず最後まで読んでしまった
この二人の関係エモすぎだろ…(´;ω;`)
カジッチュ関連のイベントもうまく使うし
これはポケモンじゃないと成り立たない話だな
この二人にはどうか幸せになってほしい☺️
コメ欄を見るに
ぽけりんコメ欄の人たちにとって
このキラッキラの素晴らしい青春物語は
眩しすぎて受け入れられなかったんだろうね
話は素晴らしい、ただ投稿する場所がまずかったな
これはpixivとかに投稿したら絶対人気出るぞ…
けろたんこんなのまとめるなよ
コメ欄の奴らが可哀想だろ???
こういうのが見たいんだよ…
誰か漫画化してくれw
気色わりぃ〜っ
羨まし!
面白いオチで終わる系かと思ったら長すぎて読む気失せたわ
シンプルに気持ち悪い
ダウトあたりで気持ち悪くて読むのやめた
ようやくまとめられたか
タイトルにSSって表記してほしいな
ダウトで読むのやめてコメ欄に移動した
面白かったし良かったけどまとめるべきかと言われると
3行が限界
さらにまとめてくれ
今日も冷えるね
読んでねぇけどくっそつまんね
BBSの暇人ってほんと気持ち悪い
あと最後なーにが「ご覧頂き誠にありがとうございました」だよ
くっそ気持ち悪い
最初から最後まで童.貞臭かったけど面白かったよ
ってなんで俺くんが?!
読まずに文句言うな!ってのがいるだろうなって思って一応全部読んだ
その上で言うけどただただ気持ち悪い
キモいじゃなくて気持ち悪い
こういうの読める奴凄いと思う
こんなんよく書けるな笑
恥ずかしくねーのかよ。黒歴史確定じゃん
文才ない人間からするとこんだけ書けるのすごいと思う。
でもお客様目線で見ちゃうとなぁにこれぇってなるな。
ダウト(激寒)
この時点できついわ
なげーよハゲ
ポケセン行くところで限界だわ
※104
俺もその辺でゾワゾワして読むのやめた
きっっっっ
ポケモンやってる奴とラノベの読者層同じだろ
普通に面白かったぞ。SS書きとしても参考にしたいし。
読んでもないくせに批判する奴らは作者にも失礼だからコメントするんじゃねぇよ。
作家でもない一般人が妄想話作って何がおもろいねん……こんな奴近くにいたら気色わるいわ
内容が良いとしても全然読む気しないから
※110
なろう系とかそういう所でやってくれよ気持ち悪い
まとめサイトでも妄想厨と付き合うのは勘弁だわ
アイテテテテテ
ssとか下手すぎバカすぎが多いから読まないけど、けっこう面白かったぞ。こんなの書けるのになんでニートなんだよ。
追手から逃げるシーンで感動した。ぜひ続編かスピンオフを書いてくれ。
ダウトでもう駄目だった
途中で断念してしまったがそういう人自分だけじゃなかったのね
コメントたくさん付いてるからワイが言うのはおこがましいけど記事としては正解だな
※109
お前ポケモンの方まで言及するとなんでここに居んのって思うんだけど、面白すぎるだろ
チッ失せろ。リア充がでダメだった
長すぎ
なんでまとめた?
いっちばん最初しか読んでないから「宇崎かな?」って感想しかないわ
これまとめるならヤーコンもまとめろ。
会話が痛い
こいつ女と会話したことないだろ
最後まで読んだ
先輩がワイを庇って死ぬところで泣いた
キモすぎ
学校やめて自分で生活費稼いで暮らしてるなら立派だと思うけど
公立行く金も親に負担させてんだろこの主人公
焼却炉で年がバレる…
きもすぎわろた
※7
二つ目の文章あたりで自分もそう思った
※41
めっちゃいい話だったからぽけりんの記事で纏めずssまとめサイトに誘導する記事にしとけばよかった
ぽけりんで全文載せるからけろが叩かれて結局このssすら叩き台にされる
長すぎ
やっぱss書くやつって暇人だは
陰キャに人のものを奪い返す度胸があるわけないンネ
そんなレア物を燃やすなんてとんでもない!の方がまだあり得ると思うンネ
あとしばらく長瀞さんだと思ってたンネ
職場で実際起こったことをスレにしたのかと思ったらSSかぁ
タイトルにSSか小説って書いてくれよ
小説としてみても女のキャラがキツくてすぐ読むの断念したわ
面白いけど俺が早口なのキモいw
続編希望
でも長すぎるゾ…
きも
頭おかしい
10分の1くらい読んだところで長さに気づいて見るのやめた
これ絶賛してるやつが携帯小説バカにしてたってマジ?
※51
うーーんこれに尽きる
けろたんさあ・・・
ポケモンオタクのくっそキモい妄想を記事にする管理人も同レベルのくそキモオタクなんだな
後輩の声がいろはすで脳内再生される
BBSで遠回しにぽけりんdisってるやつ何人かいて草
普通におもろいじゃん お前らちゃんと読まないで文句言うな
いやーキツイっす…化物語とかに感化されそう
普通に面白かったけどポケモン用語解説してるのが無理、レイドのとことかめっちゃ早口で言ってそう
俺は泣いた。オタクの趣味がわかる女子なんて存在する訳ないのに
ノリが痛くてぞわぞわする
よく完走できるな
うーんやっぱりぽけりんのコメント欄はキモいね
宇崎ちゃんかな
そんなうまい話あるわけないやろカス
現実みやがれ
焼却炉が学校にある世代ってもうおっさんだろ
おっさんがこんなん書いてるのか
現実の後輩とこんなやりとりしたって話かと思って開いたから、余計にキツさを感じたわ…
フィクションのSSだと思わず来た人、他にもいっぱい居ると思う
注意書き載せるなり、記事名に【SS】って付けるなりすればまだ反応マシだったんじゃねえかな
後輩「先輩、ポケモンの新作買いました?」
俺「相棒がリストラされたから買ってないわDLCで出たら本気出す」
後輩「そっすか」
途中で秋田長すぎだわ
この文章を違和感なく読めるのってキッズだけだろ
キモすぎて話の内容が頭に入ってこないわ
内容批判してる奴は時間ドブに捨てる結果で残念でしたねwww
内容は面白い。
ただ長すぎて1回で見切れない。
「生徒会の一存」っぽい感じで好き。
※112
コメントしてる時点で付き合っとるやんけ。
きもすぎて途中で読むのやめた
これまとめるならヤーコンまとめてくれ
八幡といろはすかな?
ダイオキシン問題が大きく取り上げられてからは学校の焼却炉は撤廃されたとマジレス
ぽけりん利用してる人ってネットじゃ口悪いんすね
俺の脳内再生が先輩=ヤジュセン、後輩=トオノだったわ
臭かったから見てない
bbsで一回読んだけど二回目も余裕で面白かったぞ
イッチじゃなくて批判してる奴こそが他人と交流のないニートなんじゃないか?
BBSで読んで面白かったからまとめられてて普通に嬉しい
妄想だとか現実見ろとか言ってる兄貴はssの存在意義考え直して
妄想するためのssだからそこんとこよろしく
読んでないのにわざわざコメントに暴言だけ吐きにくる奴キモいぞ
陰キャの中でも性格捻くれすぎ
こういうの好きだし、王道で、2人の視点の描写が素敵でした。続編希望!
くぅ〜疲れました!wこれにて完結です!や
っぱり後輩と俺の仲の良さってのが鳥肌たた
せずには居られないですね!!
えっちな描写も見事でした!!!
じゃあ読むなとか言うアホタレいるけど読んだ上でキモいから言ってるのよ?
誰がなんと言うが俺にとっては不朽の名作
タイトルにSS付けないのが悪い
こんな気持ち悪い文章に耐性無い人がほとんどだろ
ムゲンダイナ拒否ザシアン拒否w
キモ
なんでこんないい話なのにきもいしかいえないんだろ。
ワイはすきやで
コメント欄がむしろおもろいwww
吐き気した
どういうことだコラ
良い話だった
エンテイとかルビーのスレより泣けた
最後まで読んだ
拍手までしてしまった
あんな恋したら幸せだろーなーって思いながら読んだ(殴
続き見たい!
ともにポケモンについて語れる後輩が欲しいだけの人生でした
短くないSSなんて要らない
最初の数行でもうダメだったキモすぎ
これもしかして俺くんか?
ま、大会近いからね、しょうがないね
翡翠(これの作者)=ヤコってマジ?
ホントだとしたらここにも自演米あるかもね
キモい勢と絶賛勢で分かれてるな
ところで作者が俺くんって予想してる人いるね
結局どうなんだろ
※193
作者俺くんだったら気持ち悪いの極みすぎるな
絶賛してるヤツよ。絵が付いたらいかに気持ち悪いか分かるぞ
想像力が足りないよ
好き
先輩!好きッス!
そこまで好みじゃない作品ではあったが、ここまで感想で馬鹿にする程の物でも無いと思う。
作品が好みじゃなかったからと批判したり、マウント取ろうとする人達は心が狭いか、他者を見下す事でしか自分を保てない哀れな人なのかな……?
※198
これは作品…なのか?
すっげーきしょい😭どんなやつが書いとんのこれ😒
後輩に感情移入してたからむっちゃ気分悪ぅなったわわらわら🤣🤣🤣
この記事から3年後(12月なのでほぼ4年後)の2023年(ほぼ2024年)のグルジャモのSSから「SS記事一覧」でここにやってきたのは自分だけではないはず